れこっず/磯子広町店
2010年11月16日 / 店舗リポート
ドラッグとコンビニを一体化した融合店舗の1号店
ミニストップ、CFSコーポレーション、タキヤの3社の合弁会社れこっずは10月7日、神奈川県横浜市にコンビニエンスストアとドラッグストアの融合をテーマとした「れこっず」の1号店を開店した。
<れこっず磯子広町店>
れこっずはドラッグストアにコンビニの利便性を付加した業態で、れこっずをフランチャイザー(チェーン本部)としてFC加盟店を増やすビジネスモデルを採用している。「れこっず磯子広町店」はCFSがフランチャイジーとなり、ハックドラッグ磯子広町店を改装した。
<れこっずの渡辺勝巳社長(左)、CFSの石田岳彦社長(右)>
渡辺勝巳れこっず社長は「今年度に5店舗を出店し、3年後には200店舗体制を目指す。FC加盟店への参加を呼びかける営業を開始しているが、本格的な営業はまだこれからだ」と述べた。
石田岳彦CFS社長は「ハックドラッグ磯子店は開店後8年を経過し、売上高前年比が2~3%減で推移していた。当社としては平均的な売上の店舗で、人口がある住宅地だが競合がなく、買い物が不便な場所なので実験店舗として選定した」と1号店選定の理由を説明した。
<磯子広町店地図>
また、石田社長は「1号店の結果次第では、既存店の活性化策の一つとしてれこっずへの業態転換も検討する。横浜市内には、住宅街で買い物が不便な立地がまだ多くあり、新店もありうる。200店のうち、かなりの部分を当社でやりたいと考えている」と語った。
<相談カウンター兼CVSレジを配置>
取り扱い商品は、2、3類の医薬品、ヘルス関連、ビューティケア、ペット・日用品、食品、雑誌で総アイテム数は約1万500品目となっている。レジには相談カウンターを設置し、医薬品はレジ前に配置。食品と医薬品の売場を一体化しレジの精算も一本化した。
売場面積は295㎡で、商品構成比は食品25%、日用品25%、ヘルス25%、ビューティー25%で、売上構成比も同水準を予定する。ドラッグストアの客層は40代の主婦が多いが、コンビニの品揃えを付加することで男性客の増加を狙っている。
ドラッグストアの品揃えにコンビニ的な食品の品揃えを付加することで、荒利率は低下するが商品回転率が高く来店頻度が高い食品の売上が上昇することで、荒利額はカバーできる収益構造を想定する。
<売れ筋商品を中心に展開するレジ前のかぜ薬コーナー>
ドラッグストアとしての利便性を維持するため、カテゴリー単位での廃止はなく、カテゴリー内での絞り込みを実施した。店舗オペレーションの負荷を減らすため、ファーストフードを絞り込んだ。医薬品を扱うため、香りが強い揚げ物などフライヤー商品の取り扱いを控えた。
<月間特売も展開する菓子売場>
食品では、ビールのケース販売や10kgの米を販売し、一部の菓子での月間特売、日用雑貨の店舗入口での大量陳列など、コンビニにはないドラッグストア的な売場展開も踏襲、ワンフェース陳列の商品を減らし、陳列作業の軽減を図っている。
渡辺社長は「ドラッグストアにコンビニの利便性を付加して両業態の融合を目指す店舗。お客様アンケートでは、7、8割のお客様が『健康に関心がある』と答えている。CFSのような健康に強い企業と組み地域のニーズに対応していく」と語った。
<スポーツオーソリティの健康器具コーナー>
お客様アンケートでは、健康の次ぎに「体を動かすことに興味がある」と回答されているため、イオングループのスポーツ用品専門店スポーツオーソリティの健康器具も導入した。
<冷凍食品のおまかせ健康三菜コーナー>
食の面からの健康へのアプローチとして、独自商品として管理栄養士が献立を考えたお惣菜「おまかせ健康三菜」を冷凍食品で開発した。商品開発を強化するため、管理栄養士の資格を持つ人材をバイヤーに登用しているという。
目標年商は非公表だが、「これまで展開してきたドラッグストアへコンビニを付加したサテライト業態でもコンビニの商材が加わることで売上が上がることは実証されている。初年度で既存店対比で1.2倍以上の売上を目標としている」(渡辺氏)という。
<CFSの端末を活用してHBCやドラッグ関連商材を発注>
営業時間はハックドラッグ時は10時~21時であったが、れこっずでは8時から23時までとした。従業員数は、登録販売者3名(社員)、パート薬剤師1名、その他パート30名となっている。
磯子広町店では、食品の受発注ではミニストップのシステムを、医薬品・日用品の受発注ではCFSシステムを併用している。「現在、本部は商談・棚割り機能だけで、実際の商流・物流はミニストップとCFSのシステムを活用しているが、店舗数がまとまった段階で独自の商流・物流を構築したい」(渡辺氏)という。
チラシはCFSと同様に月1程度を計画、ポイントカードのハックカードは廃止するが、イオングループが展開する電子マネーワオンが利用できるため、ワオンのポイントをポイントカードとして位置づけるという。
れこっずの標準店は約150坪程度を想定しているため、1号店は小ぶりな店舗となったが商品構成自体は磯子広町店を雛形にし、今年度に5店舗を出店し、3年後には200店舗体制を目指す計画だ。
<磯子広町店レイアウト>
店舗概要所在地:神奈川県横浜市磯子区6-41-23営業時間:8時~23時売場面積:295㎡(約89.6坪)商品構成比:食品25%、日用品25%、ヘルス25%、ビューティー25%、合計1万500品目 (うち、約2000品目がミニストップが供給するアイテム)目標年商:既存店の1.2倍従業員数:登録販売者3名(社員)、パート薬剤師1名、その他パート30名駐車台数:22台競合店舗:1km圏内にCVS(セブン-イレブン、ファミリーマート)
■ビジュアル店舗紹介<入口付近にはHBC商品、来店頻度の高い食品は店舗奥に配置>
<店舗入口脇にはイートインスペースを設置>
<イートインスペースの隣でコンビニと同様に雑誌を販売>
<ドラッグ側のコーナーにはシャンプー・リンスを集合展開>
<壁面のシャンプーの対面でヘアバンド・くしを販売する>
<紙おむつ・トイレットペーパーなどかさばる商品を壁面に展開>
<ゴンドラエンドも定番商品を展開し狭い店舗でもアイテム数を稼ぐ>
<食品側のゴンドラエンドではビールの6缶パックとケース販売>
<食品側壁面の冷蔵ケースで冷凍食品・デザート・日配・弁当類を展開>
<レジ側壁面の売場では10kgの米を展開、SMニーズに対応する>
<レジ前ゴンドラはガム類と栄養ドリンク、相談カウンター前はかぜ薬>
<入口前のエンドはプロモーションスペースで季節商材をアピール>
<化粧品はセルフ販売主体のバラエティ化粧品を豊富に品揃えする>
<健康食品も食品売場で展開する>
<健康イメージから素材菓子を新たに導入した>
<トップバリュは商品カテゴリーごとに分散してNBと併売する>
<ガーデニング商材も品揃えし住宅街立地でのニーズに対応する>
<駐車場側入口に日用雑貨の特売スペースを常設する>
<ゴンドラ最下段は引き出し型のストックスペースを採用>
<天井の照明は全てLEDを採用し省エネも追求した>
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