カネ美食品/全社的な利益率改善で当期利益5.4倍
2009年02月11日 / 決算
カネ美食品が2月10日に発表した2009年3月期第3四半期決算によると、売上高は668億3900万円(前年同期比3.7%増)、営業利益22億2300万円(35.3%増)、経常利益23億4500万円(34.3%増)、当期利益は投資有価証券評価損や減損損失などを記録したものの11億7300万円(443.3%増)の大幅増益となった。
同期は改装店舗の新たな試みとして「揚物バイキングコーナー」を設け、揚物カテゴリーの販売強化を狙った。商品面では国産原料使用の製品投入に努め、販売面ではユニーグループ実施のイベント企画に、「北海道フェア」「東西寿司対決」「九州フェア」の自社販売企画を併せて実施。既存店舗の売上高確保に努めた。しかしクリスマス・年末商戦では、各エリアの競合店出店の影響で来客数が減少し、売上高が伸び悩んだ。既存店舗の売上高は0.3%減と微減で、テナント事業全体の売上高は321億4600万円(0.2%減)となった。
外販事業では、同期よりサークルKサンクスの新パスタブランド「ルベッタ」の納品を開始。既存パスタ製品の全面リニューアルを実施した。米飯では、秋の行楽シーズン時の「秋の弁当キャンペーン」に投入した「のり弁」や赤ワインで仕立てた「シチュードハンバーグ弁当」などを投入し、納品量増加を図ったが既存工場の納品額は伸び悩んだ。これらにより、外販事業全体の売上高は、前年度に新設した4工場の増収効果もあり、346億6600万円(7.7%増)と増収となった。炊飯事業の売上高は2600万円(30.0%増)だった。
利益面ではテナント事業で、店舗毎に値引ロス・廃棄ロスデータを基にした製造数量の適正化を図り、利益率の改善に取り組んだ。また、揚物中心の主力製品の販売価格の見直し等を実施し、テナント事業の営業利益は21億4800万円(2.8%増)を確保。外販事業では、工場規模に合わせた適正製造アイテム数の管理と、製品リニューアルに伴う工程の軽減に努め、製品原価率の低減を図った。
さらに、全工場で受注、出荷体制の見直しを実施し、製造ロスや労務費が抑制され、生産効率が向上。外販事業の営業利益は6億9500万円(438.8%増)の大幅増を達成した。炊飯事業はテナント事業向けの内部売上高が減少したため、営業利益は4300万円(9.0%減)。
通期の業績予測はクリスマス・年末商戦の不振や、特別損失の計上などで予測値を修正。修正後の売上高は880億700万円(11月時点の予測より0.7%減)、営業利益28億6500万円(8.0%減)、経常利益30億400万円(7.4%減)、当期利益14億6300万円(16.4%減)と減収減益の見通し。
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