セブン&アイHD/2009年2月期の売上高5兆6500億円、経常利益2793億円
2009年04月09日 / 決算
セブン&アイ・ホールディングスが4月9日発表した2009年2月期連結業績によると、売上高は5兆6499億4800万円(前年同期比1.8%減)、営業利益2818億6500万円(0.3%増)、経常利益2793億600万円(0.4%増)、当期利益923億3600万円(29.3%減)となった。
グループ共通のプライベートブランド商品「セブンプレミアム」は、新商品の開発と既存商品のリニューアルを積極的に推進するとともに、総合スーパーと食品スーパーはじめ、コンビニエンスストアの各店舗でも販売を強化したことにより好調に推移した。
2008年4月にセブン-イレブン中国有限公司、同年7月にセブン&アイ・ネットメディア、ことし1月にセブンカルチャーネットワークを設立した。2008年8月には大手調剤薬局のアインファーマシーズと業務・資本提携を実施した。
これらの結果、売上高は、国内のコンビニエンスストア事業や金融関連事業の好調と、スーパーストア事業の赤ちゃん本舗と藤越の新規連結に伴う増収があったが、北米のコンビニエンスストア事業を連結する際の為替レートが円高になったことに加え、国内の総合スーパーや百貨店事業、フードサービス事業での販売低迷により、5兆6499億4800万円(1.8%減)となった。
営業利益は、国内の総合スーパーや百貨店事業での収益の悪化はあったものの、コンビニエンスストア事業と金融関連事業が好調に推移したことにより、2818億6500万円(0.3%増)となった。経常利益は、営業利益の増益などにより、2793億600万円(0.4%増)。当期利益は、特別損失が前期並みであったものの、特別利益が大幅に減少したことなどにより、923億3600万円(29.3%減)。
事業別にみると、国内のセブン-イレブン・ジャパンでは、出店の基本戦略である「高密度集中出店方式」に基づき都市部への出店を強化するとともに、好立地への店舗移転を積極的に推進した。
また、企業や工場、病院、学校などへ小型店舗を展開するとともに、ことし1月には富山県と福井県、2月には島根県にそれぞれ出店地域を拡大した。これらの結果、年度末時点の店舗数は37都道府県で1万2298店舗(前期末比264店舗増)となった。
商品面では、店内のフライヤー(揚物用調理器具)で調理したできたてのファスト・フード商品(当期末における販売店舗は約8800店舗)や、日常の頻度品を中心とした「セブンプレミアム」の販売に注力するとともに、新たに19の自治体と「地域活性化包括連携協定」を締結し、地域の優良な食材を使用した商品の開発にも注力した。
2008年7月に開設した「セブン-イレブンネット」では、約3000アイテムもの酒類をはじめとする幅広い商品で店舗の品ぞろえを補完するとともに、店頭での商品の受け取りを可能にするなど、利便性向上を図った。成人識別たばこ自動販売機の導入に伴い店頭でのタバコ販売金額が伸長したこともあり、売上は好調に推移した。
北米の7-Eleven, Inc.は、ファスト・フード商品やプライベートブランド商品などの差別化商品の開発と販売に引き続き注力したことなどにより、米国既存店商品売上高伸び率は前年を上回って推移した。また、新規出店や店舗のフランチャイズ化に注力した結果、2008年12月末時点の店舗数はフランチャイズ店の4220店舗(179店舗増)を含む6196店舗(108店舗増)となった。
中国では、セブン-イレブン北京有限会社が北京市に2008年12月末時点で72店舗(12店舗増)を運営しており、ファスト・フード商品を中心に売上は好調に推移した。同年4月に設立したセブン-イレブン中国有限公司では、中国上海市内でのエリアライセンシー(限定されたエリアでセブン-イレブンを運営するライセンスを与えられた企業)による店舗展開に向けた準備を進めている。
コンビニエンスストア事業の営業収益はセブン-イレブン・ジャパン、7-Eleven, Inc.とも売上が好調に推移したものの、7-Eleven, Inc.を連結する際の為替レートが円高になったことにより2兆3086億9000万円(3.6%減)、営業利益はセブン-イレブン・ジャパンの増益に加え、7-Eleven, Inc.が円高によるマイナス影響を補って大幅な増益を達成したことなどにより、2133億6700万円(6.1%増)となった。
スーパーストア事業は、国内で総合スーパーを展開するイトーヨーカ堂が、年度末時点で175 店舗(前期末比1店舗減)を運営している。2008年3月にはモール型ショッピングセンターとして7店舗目となる「Ario(アリオ)鳳」、11月にはNSC型(近隣型商業施設)店舗「イトーヨーカドー本牧」を開店した一方で3店舗を閉店。また、新業態の店舗として食品を中心としたディスカウントストア「ザ・プライス」を2店舗、都心部の好立地を生かした都市型ホームセンター1店舗をそれぞれ改装オープンした。
食品分野では、国内産の生鮮食品の品ぞろえを強化するとともに、家計応援セールや「セブンプレミアム」の販売にも注力した結果、堅調な売上を継続した。店舗運営を補完する機能であるネットスーパーについては年度末時点で86店舗を展開しており、会員数が約33万人まで拡大したことなどにより販売は好調に推移した。
衣料品や住居関連分野では、プライベートブランド商品の開発強化や売場の商品構成を個店ごとに見直すなど収益性の改善に注力するなどしたが、売上は厳しいまま推移した。
国内で食品スーパーを展開するヨークベニマルは東北地方を中心に年度末時点で156店舗(7店舗増)、ヨークマートは首都圏を中心に60店舗を運営している。ヨークベニマルは、営業時間帯に合わせた品ぞろえと売り込みを推進し、生鮮食品を低廉な価格で提供するとともに、「セブンプレミアム」の販売を強化した結果、売上は堅調に推移した。ヨークベニマルとヨークマートは、商品管理や店舗運営面における情報共有を図ることにより業務の効率化を推進した。
中国では、2008年12月末時点で北京市に総合スーパー8店舗(1店舗増)と食品スーパー1店舗(1店舗減)、四川省成都市に総合スーパー3店舗をそれぞれ展開している。
スーパーストア事業の売上高は、赤ちゃん本舗と藤越の新規連結効果や中国での好調な売上などにより2兆1250億2900万円(0.8%増)、営業利益は主にイトーヨーカ堂の減益により247億4 200万円(27.4%減)となった。
百貨店事業の売上高は9938億7700万円(3.1%減)、営業利益は販促費や人件費などの経費削減に努めたが、衣料品を中心とした販売の低迷により183億3500万円(28.8%減)となった。
フードサービス事業の売上高は1027億1100万円(9.9%減)、営業利益は経費削減を徹底したことなどにより前期から12億8300万円改善の29億4800万円の損失となった。
金融関連事業の売上高はセブン銀行が好調に推移したことにより、1248億6600万円(5.9%増)、営業利益は254億8500万円(同20.9%増)となった。
次期の見通しは、「セブンプレミアム」における新商品の開発による品ぞろえ拡大と既存商品のリニューアルによる品質の維持向上に引き続き注力する。グループの百貨店やアインファーマシーズの店舗での取り扱いを開始するなど販売ルートの拡大も進める。グループ各事業会社による商品と原材料の共同調達やメーカーとの共同販促など、グループのスケールを最大限に活用した商品戦略も計画している。
2010年2月期の連結業績予想は、売上高5兆3130億円(6.0%減)、営業利益2850億円(1.1%増)、経常利益2810億円(0.6%増)、当期利益1230億円(33.2%増)を見込んでいる。
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