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神田精養軒/事業停止、負債50億円

2009年02月23日 / 経営

帝国データバンクによると神田精養軒(資本金9000万円、東京都新宿区高田馬場2-16-11、代表是松伸茂氏、従業員60名)、第一経営(資本金 8000万円、福岡県福岡市中央区今泉1-7-13、同代表、従業員150名)は、2月21日事業を停止し、弁護士に一任し、自己破産申請の準備中。

関係会社のシェ・コパン(資本金4000万円、兵庫県神戸市東灘区岡本1-5-14、同代表)、ジェラール・ミュロフーズ(資本金 2000万円、埼玉県さいたま市北区吉野町2-272、同代表)、シェフガトー(資本金2500万円、埼玉県さいたま市北区吉野町2-272、同代表)、パンロード(資本金4000万円、福岡県福岡市中央区今泉1-7-13、同代表)、芦屋ぎんなん(資本金4億2400万円、大阪府大阪市福島区福島1-5-18、同代表)も同日事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。

神田精養軒は、1949年創業、1952年2月に法人改組。明治時代開業の「精養軒ホテル」のベーカリー部門が戦後になって独立した名門、老舗企業で、マドレーヌ、アーモンドピット、クレームパフなど各種洋菓子の製造を手がけていた。

直営店の小売りのほか、スーパー、量販店、百貨店などに広い販路を有し、レストラン経営なども手がけ、2005年3月期の年売上高は約35億円を計上していたが、諸経費コスト、在庫などの負担が大きく欠損計上が続き、債務超過に転落していた。

2006年3月に第一経営の100%子会社となり、債務の株式化による借入金の圧縮、社有不動産の売却などを推進し、第一経営の現社長のもとで経営再建に努めていたが、消費の低迷に歯止めがかからず、2007年12月期の年売上高は約22億5000万円にとどまり、欠損を計上するなど収益性の低迷が顕著となっていたところ、親会社の経営破綻で事業継続が困難となった。

第一経営は、1984年4月に設立。パン、ケーキを製造して、九州、関東地区の百貨店、ホテル、レストランなどに納入していたほか、パン小売店「パン工房楠」や日本料理店「蔵前」の経営も行って、2003年3月期には約35億2200万円の年売上高を計上していた。

その後、M&Aを積極的に進めていたが、そのM&A、工場増設にともなう借入金が年売上高の約半分の規模になるまで膨らみ、重荷となっていた。こうした中、原材料価格高騰、個人消費低迷もあり資金繰りが急速に悪化、取引先に支払いサイトの延長を要請するなどしていたが交渉は難航し、今回の措置となった。

負債は、第一経営が単体で2008年3月末で約50億円。その他企業については現在調査中。 

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