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セトウチデリカ/事後処理を弁護士一任、負債42億円

2014年01月08日 / 経営

帝国データバンクによると、セトウチデリカは1月6日、民事再生法の適用も視野に事後処理を弁護士に一任した。負債は2013年6月決算時点で約42億円。

同社は、1999年6月、セトウチフーズ(2007年6月に自己破産)の惣菜製造販売部門を承継して設立された惣菜製造業者。

積極的な設備投資によって商品供給体制を整え、大手量販店への販路開拓に成功したほか、冷凍加工食品部門では大手冷食メーカーの外注指定業者に選出されるなど、大手顧客との取引比率を高め、最盛期である2012年6月期には約56億円の年売上高を計上していた。

しかし、デフレ環境下において大手量販店の価格競争は激しさを増し、量販店向けの販売単価が下落を余儀なくされていたほか、原材料相場の高値推移もあって収益性は低位に止まっていた。

過年度から売り上げの水増しや在庫調整による粉飾決算が行われ、経営実態は収益力に乏しい事業展開となっており、設備投資によって多額に膨れた有利子負債が財務面を圧迫、厳しい資金運営を強いられていた。

2013年2月にはチルド・冷凍加工食品の製造を行っていた広島工場を閉鎖、リストラによる収益性の改善を進める一方で、各取引行に対して新たな追加融資を求めたものの、金融機関からの追加支援は得られなかった。

明確な主力行が不在のなか、取引銀行が多行に及んでいたため銀行間の対応の足並みを揃えられず、2013年3月には愛媛県中小企業再生支援協議会に経営再建の支援を要請したものの、抜本的な再建計画の策定に至らなかった。

2013年9月には同社と代表者が消費税法違反と地方税法違反の罪で松山地裁に起訴されるなど、社会的信用が大きく失墜し支援体制が整わず、今回の事態に至った。

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