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駿河屋/民事再生手続き断念、事業停止

2014年05月30日 / 経営

帝国データバンクによると、1月17日に和歌山地裁へ民事再生法の適用を申請していた駿河屋は5月29日、民事再生手続きの遂行が不可能となり、事業を停止した。今後は破産手続きに移行する予定。

同社は、室町年間中期の1461年に初代岡本善右衛門氏が京都伏見で「鶴屋」の屋号で創業した和菓子の製造業者。

1944年3月に16代岡本善右衛門氏が、駿河屋食品工業の商号で法人改組、1946年京都伏見総本家駿河屋と合併し、50年に現商号に変更し、1953年5月に店頭、1961年10月に東証・大証2部に上場していた。

老舗の和菓子メーカーとして、羊羹、饅頭を中心に缶詰、煎餅等の製造・販売を手掛け、百貨店・スーパーに販売するほか、直営店での直販も積極的に行い、1992年3月期には年売上高60億2500万円を計上していた。

和菓子離れなどから業績は低迷し、加えて、2004年11月には、実施した増資が架空増資だとして、大阪府警に当時の社長、投資会社元社長ら5名が電磁的公正証書原本不実記載・同供用容疑で逮捕される事態となった。

2005年1月には上場廃止となるなど著しく信用が悪化していた。2013年3月期の年売上高は約16億4600万円にまで低迷、欠損計上が続き、近時では金融支援を受けて凌いでいたが支えきれず、1月17日に民事再生法の適用を申請していた。

負債は、2013年3月期末で約9億400万円。

その後は、事業を継続して再生を目指し、4月28日にはスポンサー会社である和菓子業者と事業譲渡契約書を締結、5月30日の実行に向けて運営方法、人員体制、物流体制などについて協議していた。

しかし、人員の確保が困難で、物流体制でも有効な解決策が出せず、協議が不調に終わったことで、事業譲渡を断念し、資金繰りのメドもたたず、民事再生手続きの完遂が不可能となったことから、5月29日に事業を停止した。

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