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矢野経済研究所/アウトレットモール市場規模4550億円

2008年10月10日 / トピックス

矢野経済研究所はアウトレットモールに関する調査結果2008を発表した。それによると日本国内で展開しているアウトレットモールは、2007年度で32施設である(インターネットモールは除く)。同施設の2007年度売上高を合計すると4,550億円(前年度比108.8%)で、2008年度は5,200億円(前年度比14.2%増)となると見込んでいる。

アウトレットモールの市場規模の拡大とともに、アウトレットモールの認知度や有用性が高まっており、出店企業はアウトレット専門の事業部の設立、アウトレット向け新業態の開発をして積極展開を行っている。一方、今後はアウトレットモールへの出店数減少を検討する企業も出てきている。

利用者アンケート結果によると、「来店までの所要時間平均」は120分、「休日の午後~夕方」に「親・家族連れ」で訪れ、買い物や飲食を楽しむことが多く、各モールともに有力ブランドや品揃え、飲食店やアミューズメント施設などを拡充することで他モールとの差別化を図り、アウトレットモールはただ買い物をするだけの施設ではなく、休日を家族で楽しむレジャー施設へと進化している。

アウトレットモール市場が拡大している大きな要因の一つとして、市場の約57%(2007年度実績)を占める国内大手2社による積極攻勢が挙げられる。

日本に始めてアウトレットモールが登場した1993年から1998年頃までは、アウトレットという業態そのものの認知度が低く、取り扱っている商品に対してのイメージも決して良いものではなかったため、客足が伸びなかった。

しかし、企業側がアウトレットモールへの出店を積極的に行うことに伴い、商品構成も見直し、拡充された結果、認知度が高まり、来店客数の増加につながった。1998年には関東だけでなく関西、北海道へと全国的に拡大し、2000年には九州に新規アウトレットモールが開業した。2000年に8つの新規アウトレットモールが開業した後は、新規開業数・市場ともに成長が鈍化したが、2007年から2008年にかけ国内大手2社が活発に動き始め、再びアウトレットモール市場が拡大基調となった。

2008年には、2大企業ともに仙台へ新規進出、2009年以降にも新規開業が予定されていることから、今後ますますアウトレットモール市場は活気を増すこととなる。

出店企業側の動向では、アパレルや小売企業において、アウトレットを有効活用する動きが強まっており、SPA事業の収支改善や商品の最終消化率の向上を目指している。

問い合わせ
矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp

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