流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





矢野経済研究所/2008年のインポートブランド市場は前年比10.2%縮小

2009年06月02日 / トピックス

矢野経済研究所は6月2日、5月15日に発刊した調査報告書「インポートマーケット&ブランド年鑑 2009年版」(頒布価格12万6000円)の概要を発表した。概要によると、2008年のインポート高級衣料品・服飾雑貨市場は1兆643億2,600万円(小売金額ベース)、前年比10.2%減と大幅なマイナス成長となった。

2008年の国内市場規模は、96年から約8000億円規模の縮小、2ケタのマイナス成長となった。これらのマイナス要因としては細かい差異はあるものの昨年9月以降のリーマンショックをきっかけとする世界的な金融経済破綻による未曾有の不況が最大要因で、これが高額品中心とした消費者の「買い控え」を急速に招いた。

国内市場はもともと所得の2極化が進んでいたが、ブランドブームを支えてきた中産所得層の減少が顕著になり、その結果、依然ラグジュアリーブランドは「手の届かない」状況となっていること。さらに長期トレンドとして、ブランド次世代層となる30代以下の若年層の百貨店離れ、インポートブランド離れが顕在化してきていること、の3点が特徴的だという。

特に百貨店、インポートブランド離れなどは、2000年頃から徐々に顕在化し始め、2007年後半以降さらに顕著となっている。またリーマンショック以降の不況は、特にITや金融バブルで恩恵を受けた「新富裕層」の買い控えを招き、ブランド各社ともに、当該層をターゲットとした高価格帯商品群の消費が一気に冷え込んだ。

2009年も回復の兆しは見えず、むしろマイナス要因に拍車がかかる状況となっている。その結果、国内市場規模は1兆円規模を割る様相を呈し、拡大期を迎えた約20年前(1989-1990年シーズン)の水準まで縮小するものと予測されている。

2009年は2008年の流れが継続する形で、高級衣料品・服飾雑貨市場の稼ぎ頭となってきた鞄・革小物類でも、特に高額品の20万円以上のバッグ類や超高額なレザーウエア、重衣料のスーツ、コート類のアウター類が2ケタのマイナス成長と予測。唯一のプラス分野であるスカーフ・ショールなどのアクセントアイテムでいかに既存顧客に訴求するかなどの対応策に終始する1年となると推測される。

関連記事

関連カテゴリー

最新ニュース

一覧