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小売業/2010年の倒産件数1343件、前年比12%減

2011年02月17日 / トピックス

帝国データバンクは2月17日、2010年小売業の倒産動向調査を発表し、倒産件数は1343件で前年比12.0%減少した。
負債総額は1961億3100万円と、大型倒産の減少から2年連続で前年を下回り、初めて2000億円を割り込んだ。
2010年1~12月の小売業の倒産(負債1000万円以上、法的整理のみ、外食業除く)について、件数・負債推移、業態別、地域別、態様別、規模別、大型倒産について集計・分析を行ったもので、業態別では、「自動車販売」(164件)が前年比16.8%減、「家電販売」(61件)が19.7%減と、政策効果の恩恵を受けた業態で減少が目立った。
「衣料品販売」(292件)は前年と同水準で、「飲食料品販売」(304件)は前年比7.0%減にとどまった。2008年9月のリーマン・ショック以降、個人消費が低迷するなか、大手スーパーやショッピングセンターなどとの競合が激化し、高水準が続いている。
地域別にみると、北陸(42件、36.4%減)、四国(34件、38.2%減)の2地域は、過去最多だった前年からの反動もあって、大幅減少となった。
件数では、関東が437件でトップ、近畿の371件と合わせ、この2地域で全体の6割を占めた。
一方、島根や岡山の増加が目立った中国(62件、21.6%増)は唯一前年を上回った。
態様別では、「破産」が1267件(構成比94.3%)でトップ。「特別清算」の26件(1.9%)と合わせ、事業継続を前提としない清算型の倒産が大半を占めた。
事業継続を前提とする再建型の「民事再生法」は50件(構成比3.7%)と、大型倒産の減少もあり、前年比29.6%減となった。「会社更生法」の発生はなく、再建型の減少が顕著となっている。
主な大型倒産は、仙台を中心に食品スーパーをチェーン展開していたモリヤ(負債100億円、宮城県、民事再生法、7月)。
自社ブランド「インタープラネット」や海外ライセンスブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」などの販売を手がけていたオリゾンティ(負債84億円、大阪府、民事再生法、6月)。
ベスト電器の連結子会社で家電量販店「さくらや」(負債70億円、東京都、特別清算、2月)など。
今後の見通しは、GDPの約6割を占める個人消費は依然として低迷を続けるなか、2011年1月の小売業倒産も121件発生、前年同月比17.5%増と7か月ぶりに増加に転じている。
3月末には緊急保証制度の終了し、家電エコポイント制度も終了する。金融円滑化法は延長の可能性が高いものの、このまま消費低迷やデフレが長期化するようであれば、2011年は再び小売業倒産が増加基調で推移することも懸念されるという。

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