流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





クリスピー・クリーム/原点回帰で「渋谷シネタワー店」製造ライン復活

2021年11月02日 17:00 / 店舗レポート

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンは11月3日、渋谷区の「渋東シネタワー」1階の旗艦店「クリスピー・クリーム・ドーナツ渋谷シネタワー店」をリニューアルオープンする。2日、関係者向け内覧会を開催した。

<クリスピー・クリーム・ドーナツ渋谷シネタワー店>
クリスピー・クリーム・ドーナツ渋谷シネタワー店

日本上陸15周年を迎え、ブランドの原点を見つめなおす一環として、今回、従来の製造ラインと比べて製造能力が3分の1の短い製造ラインを導入した。店内に製造ラインを設置することで、創業以来の看板商品である「オリジナル・グレーズド」をできたてで提供する。

クリスピー・クリーム・ドーナツは、日本上陸時に旗艦店には、製造ラインを設置していたが、セントラルキッチンの整備や客席効率の向上のため、店舗の製造ラインを一度、廃止していた。現在、製造ラインを設置している店舗は、千葉県船橋市の「船橋ららぽーとTOKYO-BAY店」のみとなっていた。

<若月社長>
若月社長

若月貴子代表取締役社長は、「日本上陸10周年を迎えた2015年に出店戦略の見直しを行い。北海道、首都圏、中京圏、関西圏の都市部に出店を集中した。その後、顧客とのタッチポイントを増やすため、キャビネットを活用したスーパーマーケットなどでの卸売販売など進めてきた。今回、日本上陸15周年を機にブランドの原点に立ち返り、よりクリスピー・クリーム・ドーナツ楽しめる店舗として、ドーナツ製造ラインを復活させた」とリニューアルを解説した。

店内製造ラインでは、オリジナル・グレーズドのみを製造し、そのほかのドーナツはセントラルキッチンから供給する。

<ドーナツ製造ライン>
ドーナツ製造ライン

オリジナル・グレーズドは、アメリカノースカロライナ州でブランドが誕生して以来、変わらない伝統のレシピで製造する人気No.1の看板メニュー。製造ラインを店内に設置したことで、できたての商品を楽しむことができる。

同社によると、「ふわふわの生地の表面にグレーズ(シュガー)がコーティングされ、口に入れた瞬間にとろっととろけてしまう食感とおいしさをさらに感じることができる」という。

<オリジナル・グレーズド>
オリジナル・グレーズド

できたての「オリジナル・グレーズド」が楽しめる合図として、店内入口と店内に「HOT NOW」の電飾看板を設置。できたてを味わえることを広く告知する。11月3日~7日は、商品を購入すると、数量限定で、できたての「オリジナル・グレーズド」1個を進呈する。

<HOT NOWの電飾看板>
HOT NOWの電飾看板

内装デザインは、米国のクリスピー・クリーム・ドーナツ・コーポレーションのデザインチームと共同で実施。海外で取り入れられているフォトスポットを設置したほか、渋谷の地にちなみに、犬をモチーフとしたデザインを壁面に施した。

<フォトスポット>
フォトスポット

また、リニューアルオープンを記念して、11月3日~7日、商品を購入すると、渋谷シネタワー店のモチーフを集めたオリジナルステッカーを進呈する。

<犬をモチーフとしたデザイン>
犬をモチーフとしたデザイン

さらに、11月3日~7日、犬をかたどった渋谷店限定ドーナツ1個、オリジナル・グレーズド2個、チョコチョコ1個、チョコスプリンクル1個、チョコクランチ1個をセットにした「リニューアルオープン記念ボックス」(6個)1242円(イートイン1265円)を各日120セット限定で販売する。

<リニューアルオープン記念ボックス(左上)>
リニューアルオープン記念ボックス(左上)

2020年はコロナ禍に見舞われたが、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの業績は堅調だった。若月社長は、「デリバリーやテイクアウトが伸長したことで、昨年の秋時点で、前年並みの水準まで売上が回復した。特にデリバリーの伸びは大きかった」と語る。

<注文カウンター>
注文カウンター

特にデリバリーについては、Uber Eats(ウーバーイーツ)の日本上陸時に最初のパートナー企業として参加しており、デリバリーには早くから取り組んでいた。現在、Uber Eatsのほか、出前館、DiDi Food、foodpandaに対応、全53店中、44店舗がデリバリーに対応している。今後、Woltにも対応する予定だ。また、スマホアプリを活用したクイックオーダーサービスは全店で対応しており、テイクアウトの拡大につながっている。

<マルエツでのキャビネット販売>
マルエツでのキャビネット販売

クリスピー・クリーム・ドーナツでは、新たな販路拡大策としてキャビネット什器を活用した卸売も拡大している。東京・広尾の高級スーパー「NATIONAL AZABU」で、実験的にドーナツの販売を開始し2019年11月から本格展開を開始した。現在、クイーンズ伊勢丹、マルエツ、リンコス、明治屋、紀ノ国屋などでキャビネット什器を活用した卸売販売を実施。卸売販売拠点は、店舗数を超える水準となった。

現在、ドーナツを製造するセントラルキッチンを東京都江東区新木場と大阪府茨木市の2カ所に構えており、店舗への供給だけでなく、卸売販売の供給も行っている。今後もセントラルキッチンを中心に、販売拠点をドミナント展開する予定だ。

<ショーケース>
ショーケース

現在、米国本国と同じ味わいとレシピを採用しているのは、看板メニューの「オリジナル・グレーズド」のみで、その他のメニューは、日本で独自開発している。若月社長は、「昨年12月に、クリスピー・クリーム・ドーナツ・コーポレーションの子会社となり資本関係が変わったが、経営の自由度は高い。日本上陸10周年を記念して日本で開発した『ブリュレグレーズド』は、世界で販売する商品に採用された」と語る。

<若月社長>

2020年の出店はなかったものの、2021年は10店舗を出店した。今年の出店の中には、これまで催事出店だったものが常設店舗になった店舗もある。

若月社長は、「当社には、創業から掲げているLittle Joyというブランドスピリットがある。とびきりワクワクするような体験ではないけど、日常のご褒美を感じられる何気ないサービスを大切にしながら、今後も出店を継続したい」と語った。

■クリスピー・クリーム・ドーナツ渋谷シネタワー店
所在地:東京都渋谷区道玄坂2ー6ー17
渋東シネタワー1階
電話番号:03-6415-3900
営業時間:8時~21時(店内利用L.O.20時30分)
※現在営業時間を短縮中(通常営業8時~22時30分)

関連記事

店舗レポート 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧