コメ兵/表参道にヴィンテージ専門店オープン、年間売上7億円目指す
2024年11月29日 15:14 / 店舗レポート
コメ兵は11月30日、同社初のヴィンテージ専門店「KOMEHYO VINTAGE TOKYO」(東京都渋谷区)をオープンする。29日、メディア向け内覧会を開催した。
主に20年以上前に製造されたアイテムをラインアップ。市場になかなか出ない物は20年経っていない物も扱う。1階には、シャネルやエルメスなどヴィンテージとしての評価が高いブランドを並べた。地下1階には、グッチ、フェンディー、ルイヴィトンなどのバッグを中心に取りそろえる。
売上目標は月間6000万円、年間7億円に設定した。法人オークションでの仕入にこだわり、オープン時の取扱アイテムの7割がオークション仕入で、3割が既存店からの個人仕入とのこと。これから約3年かけて全アイテムをオークション仕入にするという。
新業態の出店背景について、リテール統括部 東日本エリア営業部の田島靖啓氏は「今回取り扱うラグジュアリーヴィンテージは、数年前までは『古くて安い』という位置づけで、愛好家向けのニッチな市場だった。最近では希少性などから海外セレブの間で評価され、『可愛い、お洒落、かっこいい』物として再定義されている。
ヴィンテージ品は渋谷の店舗でも一部取り扱いがあるが、まだ知名度が低い。今回、徹底的に訴求していく。時を経ても輝く良品・名品を提供する新しい店舗を打ち出したいと考え、ヴィンテージに特化している。出店地を表参道に選んだ理由としては、既に集客力・ニーズのあるため最適だと考えた。世界的に見ても良品を扱うヴィンテージ店が多数集まっている地区は稀だと思う。
また、コメ兵として今後の拡大を考えると、仕入をどうするかという話にもなる。個人の仕入だけだとアイテムが集まりにくいと想定。そこに影響を与えないような仕入は何かないかと考え、今回の法人仕入にたどり着いた。利益は個人仕入に比べると下がり、売価が通常店よりも若干高くなる。だが、周辺店舗と比べて安くした」と説明した。
小野瀬健佑 店長は「メインターゲットは北米を中心としたインバウンドのお客様だ。ヴィンテージ品の需要が想定を上回って増している。オープン時の仕入総額は当初1億円で想定していたが3億円になった。
新業態を出すにあたり、コメ兵としての品質を大事にしている。オークションに行くと、バッグの角に色塗りがされているアイテムも多い。その中で綺麗かつ塗りがない商品、経年後のリアルそのままのアイテムを集めた。周辺店舗と共にヴィンテージの相場を高めていきたい」と語った。
店内のスタッフは英語と中国語で接客できる(店長のみフランス語も可)。以前コメ兵は渋谷でヴィンテージ品の編集型POPUPイベントを開催しており、その時の知見も活かした。現在、バッグの売上が国内外の顧客を問わず伸びているという。国内外の感度の高い顧客に向けて「checked in japan」の価値を訴求していく。
内装は、外から店内を覗けるように抜け感をイメージした。1階入口側のスペースにはワインラックをイメージした什器とドレッサーを配置。色味なども工夫して非日常感を演出している。
1階中央手前の什器にはコスチュームジュエリーを集積。シャネルの金メッキなどを扱う。18金ではないものの、今では珍しいため価値が高まっているという。
奥の什器には国内向けに需要が高まっているアイテムを集めた。相場が上がってるエルメスのシルバーなど珍しい、見るだけでも楽しいアイテムを取りそろえる。
洋服は、シャネルのツイードジャケットをメインに扱う。映画「プラダを着た悪魔」に登場したアイテムも並ぶ。
このほか1階ではリザード革の高額バッグ(税込650万円)なども扱う。
地下には壁一面にブランドバッグを集めた。北米でインテリアとして人気が出ているルイヴィトンのトランクケースも導入している。
また、地下にはエステートジュエリーも集めた。バブル期に国内で展開された欧米リングがそろう。従来は、宝石と金を分解してリメイクジュエリーに使われるアイテムだった。コメ兵では「昭和ジュエリー」と題して、梅田店のPOPUPで扱ったこともある。古き良き、今だからこそ身につけたいアイテムが並ぶ。
■KOMEHYO VINTAGE TOKYO
オープン日:2024年11月30日
所在地:東京都渋谷区神宮前5-1-16 地下1階、1階
営業時間:11時~20時
休業日:不定休
TEL:03-6427-2075(オープン日に開通)
取扱品目:ブランドバッグ、衣料品、ジュエリー・アクセサリー、時計など
取材・執筆 古川勝平
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