大手百貨店/4月三越伊勢丹、高島屋、そごう・西武が前年割れ
2019年05月07日 15:50 / 月次
三越伊勢丹ホールディングス、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武、J.フロントリテイリングは5月7日、4月の売上速報を発表した。
既存店売上は、三越伊勢丹3.0%減、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)0.%増、高島屋1.2%減、エイチ・ツー・オー1.0%増、そごう・西武1.3%減だった。
前年実績を下回った3社は、天候不順で、初夏ものをはじめとした衣料品が苦戦した。
■三越伊勢丹(2018年3月期売上高:1兆2688億円)
首都圏既存店3.0%減、国内百貨店既存店計2.8%減だった。
ラグジュアリーブランドや宝飾・時計は引き続き好調に推移するものの、天候は寒暖差が激しく初夏物が伸び悩み、三越伊勢丹、国内百貨店計共に昨年実績を下回った。
基幹店では婦人コートやラグジュアリーブランドの衣料品・雑貨、宝飾、時計、化粧品等が好調に推移した。
また、新宿店ではフランス展などの人気催事を開催して集客を図ったが、新宿店と日本橋店のリモデル工事に伴う催事場閉鎖などのマイナス与件もあり、前年実績には若干届かなかった。
免税売上は先月ほどの伸びはなかったが、基幹店計及び国内百貨店計共に前年を上回り、地域店では札幌三越、札幌丸井今井、岩田屋本店などが2桁伸長した。特にラグジュアリーブランド、宝飾、時計などが好調だった。
■J.フロントリテイリング(2019年2月期売上高:1兆1251億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比0.9%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は0.8%増となった。
4月度の百貨店事業の売上高は、気温が前年より低く推移したことから、婦人・紳士ファッションの動きが鈍かったものの、化粧品とラグジュアリーブランドが国内・訪日外国人需要ともに売上を伸ばし、食品も好調に推移した
なお、大丸松坂屋百貨店合計、百貨店事業合計ともに3カ月連続で前年実績を上回った。
また、大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は対前年約22%増(客数同8%増、客単価同13%増)となった。
店舗別では、札幌店が7カ月連続、心斎橋店、東京店、名古屋店が3カ月連続で対前年プラスとなるなど、直営6店舗と博多大丸が前年実績を上回った。
4月27日~5月6日の10連休では、前年の同曜日期間(4/28~5/7)と比較して、入店客数は約1割増、売上高は約7%増となった。
■高島屋(2019年2月期売上高:9128億円)
高島屋単体13店の売上高は1.2%減、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は1.1%減となった。
4月度の店頭売上は、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品売上と免税売上が引き続き伸長したが、初夏ものをはじめとした衣料品が苦戦したことなどから前年を下回った。
なお、免税売上は2.7%増となった。
店舗別売上は、京都店、高崎店が前年比プラスだった。
なお、立川店・堺店は前年同月比で売場面積が縮小している。
日本橋店も、昨年9月からレストラン街の運営を東神開発に移管したため、百貨店としての売場面積が縮小している。
商品別売上は、特選衣料雑貨・宝飾品・食料品(同社分類による17店舗ベース、以下同じ)などが
前年比プラスとなった。
一方で、紳士服・紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・子供ホビー・リビングなどは前年に届かなかった。
■H2O(2018年3月期売上高:9370億円)
百貨店事業の全社計の売上高は1.0%増となった。内訳は阪急本店4.7%増、阪神梅田本店15.1%減、支店計1.2%増。
全般的に気温が低く、衣料品・雑貨のシーズン商品が低迷。また、阪神本店の前年の売りつくしバーゲン実績の反動があったものの、ファッション感度が高い衣料品やバッグ、高額なジュエリーなどが売上を牽引し、全体としては前年実績をクリアした(3カ月連続)。
一方食料品も、お花見シーズンが前年より後ろにずれたことにより、弁当や惣菜などが好調に動いた。
インバウンド売上は、約42億5000万円(8%増)と過去最高を記録。特に高額なジュエリーや時計、バッグが好調に推移した。
支店は12店舗中9店舗が前年を超えた。
特に 西宮阪急(3%増)が、昨秋のこども服フロアの改装やライフスタイ提案型の売場に加え、今春に紳士の自主編集売場を新設。集客力が更にアップし売上増に寄与した。
阪急本店は、また昨秋改装したバッグ売場が新客獲得に寄与するとともに、国内・インバウンドとも好調な化粧品などが売上を牽引。
阪急メンズ大阪は、売場改装した海外ブランドが特に好調だった。ファッション感度が高い若い世代が雑貨を中心に購入され、売上増に寄与した。
インバウンド売上は、約34億円(10%増)と過去最高を記録。高額なジュエリーや時計、海外ブランドのバッグが継続的に好調な一般品(7%増)、化粧品のリピーターが増加し、大きく売上を伸ばしている消耗品(15%増)ともに好調な動きを見せた。
100万円以上の高額品(12%増)は、国内富裕層・インバウンドともに好調で高額なジュエリーがよく動いた。
■そごう・西武(2019年2月期売上高:6152億円)
そごう・西武15店の売上高は1.3%減、西武池袋本店は1.0%増となった。
催事や菓子が牽引した食品が好調だったほか、ラグジュアリーブランドや宝飾品をはじめとする高級雑貨も、前年を上回って推移した。
一方、衣料品および婦人雑貨、紳士雑貨は動きが停滞し、前年に届かなかった。
外国人観光客の売上高・来店動向では、免税利用に関しては、客数は前年並み、売上は前年比で約20%増となった。
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