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UAゼンセン/正社員の賃金引き上げ半数以上が前年を上回る

2021年04月20日 12:30 / 経営

UAゼンセンは4月6日、第三のヤマ場を終えた4月1日10時時点、全体で447組合、約75万人の賃上げが決まったと発表した。

新型コロナウイルスにより国民生活に大きなマイナスの影響があったが、打撃が小幅に抑えられたグループを中心に、組合員の頑張りに報いる前年越えの妥結が続いているという。

正社員の賃金引き上げ額(ベアなど)は前年と比較できる組合の半数以上が前年を上回る賃上げを獲得した。部門別では、流通部門で6割以上の組合が前年実績を越える結果となった。

また、パートタイマーの一人あたり平均引き上げ率は、総合計で6年連続正社員を上回った。特異な厳しい状況下でも産業間格差、雇用形態間格差是正へ一定の前進が図られているという。

正社員(フルタイム)組合員の妥結総合計(制度昇給、ベア等込)は、前年と比較できる組合の約半数が前年以上を獲得し、単純平均で前年マイナス79円、加重平均でプラス67円とほぼ前年並みとなった。

妥結総合計(加重平均)の6554円・2.24%は連合集計(3月25日現在、5515円・1.81%)に比べ大幅に高く、産業間格差是正に向け前進している。

部門別では、流通部門(妥結97組合)の6割強(61組合)で前年を越え、単純平均の前年同組合比較で594円の増額となった。業種別の前年比では、食品スーパー(44組合妥結)が912円、家電量販店(12組合妥結)が730円、食品製造(11組合妥結)が、425円プラスの賃上げを獲得している。

<部門別前年比較・総合計>
部門別前年比較・総合計

規模別では、300人未満の組合は地方製造業が多く、前年同一組合の比較(単純平均)で前年差マイナス226円、マイナス0.12%とマイナスを小幅に止めており、非常に厳しい状況の中健闘している。

一時金(年間)は61組合が妥結した。加重平均の同一組合比較で、月数0.05カ月、金額では2万4104円増となっている。

初任賃金は高卒62組合で単純平均3177円、大卒64組合で単純平均3357円の引き上げを獲得した。また、企業内最低賃金は58組合で単純平均4860円の引き上げを獲得し、妥結平均は17万3724円となった。

パートタイム組合員一人あたりの平均引き上げ率は、引き上げ分1.33%、総合計2.31%で正社員の引き上げ分0.66%、総合計2.24%を超え、6年連続で正社員を上回っている。地域別最低賃金の引き上げ(全国加重平均で2019年27円、2020年1円)が低位であった中で雇用形態間格差の是正を推し進める結果となった。

昨年のパート・有期法(同一労働同一賃金)施行に伴い、時間賃金の他に各種手当についても別途積み上げており、一定の成果を得ている。20組合が企業内最低賃金の引き上げを行い、平均引き上げ額は7円となった。

契約社員の組合員一人あたりの平均引き上げ(制度昇給、ベア等込)は2.41%となっており、正社員の2.24%を上回っている。また、単純平均で5076円と、正社員の5274円に迫る金額となっている。

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