ゴンチャ/顧客もスタッフもファン化、28年客数6000万人・400店舗体制へ

2026年01月20日 15:49 / 経営

台湾発祥のティーカフェ「ゴンチャ」が出店を加速している。タピオカブーム終息後も、お茶を気軽に楽しめるカフェという経営姿勢を貫き、220店舗体制まで成長している(2026年1月末)。競争環境の厳しさが増す外食業界で、売り上げ・客数を伸ばす同社の経営を追った。

ゴンチャの角田淳社長

顧客・スタッフの熱量が強さの秘密

「ゴンチャ」は、世界約30カ国で2000店以上を展開している。日本には2015年に上陸し、昨年10周年を迎えた。

2018~2019年タピオカブーム時に流行したブランドのイメージが強い。しかし、コロナ禍で一時期店舗を整理したものの、1月末現在で220店舗、年間来店客数は2025年約4000万人と成長を続け、ブーム終焉(しゅうえん)後も業績を伸ばしている。

快進撃を続けるゴンチャのミッションは「幸せを淹れよう」。豊富なティーメニューと、他の静かな雰囲気のコーヒーチェーンと差別化した「おしゃべり歓迎」の店舗で、ミッションを体現。2028年までに年間来店客数6000万人、400店舗を目指している。

現在の成長を支えているのは、顧客・スタッフのファン化による好循環と、デベロッパー・フランチャイジーから見ても出店しやすい店舗形態にある。

ゴンチャの成長の秘密を2021年に就任した角田淳ゴンチャ ジャパン社長はこう語る。

「ゴンチャはタピオカブーム以前に日本に上陸しており、お茶を楽しむ文化を日本に広めたいという思いで運営している。顧客とスタッフが熱量を持って、ゴンチャのファンでいることが成長のエンジンになっている。従業員のNPS(ネット・プロモーター・スコア)が高くなるほど、売り上げが伸びると分析している」。

スタッフがモチベーション高く働けるよう、2022年に髪色を自由化した。2024年・2025年には、店舗スタッフ考案の新メニュー発売を生活者に決めてもらう「クルーチャンピオンシップ」を開催するなど、スタッフが当事者意識を持って働ける環境づくりに余念がない。

アプリ会員は260万人、若年層向け特別割引も

ファン化しているゴンチャの顧客は、大きく3つに分けられる。

1.ブームの時からゴンチャのタピオカが好きで、継続して買い続ける人
2.ほぼ毎月発売される限定商品のファン
3.お茶がもともと好きでゴンチャのファンになった人――だ。

2025年5月には、新たなファンプログラム「My Gong cha」アプリを開始し、初日で約20万人、3カ月で150万人の会員登録を達成。2026年1月現在、約260万人まで会員を増やしている。

会員は10~20代中心だが、30代も増えているという。女性8割・男性2割となっている。

さらに、2025年6月には、6歳以上22歳以下のすべての若者を対象とした割り引きサービス「ENJOY U22割」を全国の店舗で導入。ウーロンミルクティーなど人気のドリンクメニューを特別価格で購入できるもので、新規顧客拡大・既存顧客の定着に貢献している。

カスタムがα世代の心をつかむ

現在のメニューは、ウーロン茶・紅茶など定番商品(アイス・ホット)、月に1回程度発売する期間限定商品など。2024年にはコーヒーメニューを廃止し、ティーメニューに特化している。

シンプルなウーロン茶、ブラックティー(紅茶)がSサイズ税込み290円とリーズナブルなものから、700円台の期間限定商品、台湾の阿里山ウーロン茶といったこだわり商品まで幅広くそろう。

一般的な飲食店は、アイスドリンクを作り置きすることが多いが、ゴンチャは作り置きをせず、抽出時の湯温や時間にこだわり、1杯ずつお茶をいれている。アイスティーのイメージが強いが、ホットメニューも販売している。

また、ゴンチャの強みはカスタムにより、自分だけのティー体験をできることだ。その日の気分で、台湾茶をはじめとした5種類のお茶、甘さ、氷の量、3つまで選べるトッピング(タピオカ、アロエ、ナタデココ、ミルクフォーム、各80円。期間限定トッピングもあり)を組み合わせられる。

<豊富なティーメニュー>
雪見杏仁 マンゴーミルクティー

角田社長は「日本ではカスタムできる飲食店が少ない。アルファ世代など若年層に、自分だけの味にカスタムできることが好評を得ている。日本はコーヒーメインのカフェはたくさんがあるが、ティーカフェはまだ少なく、伸ばす余地がある」と話す。

店舗形態が選択可能で、出店しやすさも魅力

また、デベロッパー側からみると、出店形態をティーカフェ、ティースタンドと選択できることも魅力的なテナントと言えるだろう。

客席のあるティーカフェ(16~35坪・20~40席)とテイクアウト中心のティースタンド(8~15坪)があり、テナント構成・出店候補地の面積などショッピングセンター側の需要に応じて、カフェかスタンドでの出店か対応できる。

飲食フロア以外、ファッション・フロアでもゴンチャは相性がいい。火も油も使わず、調理に必要なのは電気だけで、匂いの心配がなく、テナントミックスしやすいブランドだ。

さらに、現在の店舗は直営店2割、FC運営が8割。FC運営会社が5~10店舗と複数展開することも多く、意欲あるフランチャイジーが好調な出店を支えている。2026年も出店を加速するゴンチャの展開から目を離せない。

■角田 淳氏略歴
1971年3月25日 生まれ
アメリカの大学卒業後、大手自動車メーカーに勤務。その後独立し、スポーツや音楽イベントの企画やマネジメントを行う。約10年間スポーツマネジメント/マーケティングに携わり、2010年に日本サブウェイに入社。マーケティング・経営企画などを経て、2016年、社長に就任。2021年ゴンチャ ジャパン代表取締役社長に就任。

取材・執筆 鹿野島智子

ゴンチャ/東京・有明ガーデンにカフェスタイルの218店舗目1/15オープン

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