ハンズ/32年ぶりに過去最高益、カインズ傘下でオペレーション改善し業績が急回復

2026年01月21日 14:35 / 経営

ハンズの業績が回復している。コロナ禍で落ち込んでいたが、2022年にカインズの子会社となったのを機に、店舗オペレーションを改善。それが奏功し直近の2025年2月期は32年ぶりに最高益を更新した。ハンズの高家正行会長も、投資したカインズ社長の立場から「想定以上の回復」と驚きを隠さない。

<高家会長(中央右)と桜井社長(中央左)>
高家会長(中央右)と桜井社長(中央左)

ハンズは今年8月に創業50周年を迎える。1月21日に、東京・渋谷の「ハンズ渋谷店」で50周年に向けた発表会を開催。ハンズの高家会長がこれまでの変遷を振り返りつつ、足元の状況を説明した。

ここ数年のハンズは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東急不動産ホールディングス傘下の「東急ハンズ」だった2020年3月期に減収減益となった。その後も苦戦が続く中で、2022年3月31日にカインズグループ入りをする。

新生ハンズとなり徐々に業績回復への道を進み、2023年2月期から3期連続で増収。直近の2025年2月期にはコロナ禍から続いた赤字が黒字に転換しただけでなく、過去最高の利益を計上した(経常利益ベース)。

高家会長の言葉を借りると、カインズグループ入りしてからの状況はこうだ。

<高家正行会長>
高家正行会長

「新しくロゴを変え、屋号を変えて、ハンズ全メンバーの努力と思いを結集させて、ようやく昨年には32年ぶりに最高益を更新することができた。そういった意味では50年を節目に新生ハンズをさらに飛躍させる土台は整ったと考えている」

利益が過去最高となったことについて高家会長は、投資をしたカインズ側の立場から「3年間で最高益を超えるところまできたというのは想定を超えている。正直なところもう少し時間がかかるかなと思っていた」と述べる。

最高益を実現した背景には、グループシナジーの創出がある。具体的には両社で相互に商品を供給しあったりDX面で連携したりといったことが挙げられるが、高家会長によると、何よりも効果的だったのがオペレーション面だという。

「カインズは約250店舗を日本全国に構えており、チェーンストアのオペレーションを実行している。これに対してハンズは店舗数がまだそこまで多くなく、オペレーションという意味では改善の余地がある。3年前にカインズのグループに迎え入れた時にそのように感じた」

そこで新生ハンズとなってからは、オペレーションを改善し、在庫をしっかりとコントロールした。その成果として、レジの待ち時間が短くなり、店頭での欠品が減った。顧客の購買体験が改善されると同時に、会社として利益を生む体質が徐々にできあがった。

「今年からは、ある意味で完全な攻めモードに切り替えができた。それが出店戦略にも大きくつながってくる」

<桜井悟社長>
桜井悟社長

上記の言葉が示すようにハンズは今年から出店を加速していく。ハンズの桜井悟社長によると、今後の出店方針は以下のようなものだ。

「今まで北海道や仙台、九州などの地方都市に『点』で出していたが、今後はドミナントでつなぐ出店戦略をしていきたい。具体的には、500坪、350坪、250坪などとパターンを分けて地方都市に出ていきたい」

今年は国内に7店舗ほど出店する予定で、6月には直営とフランチャイズ(FC)合計の店舗数が100店舗になる見込み。さらに2030年までに直営だけで100店舗、FCを含めて合計140店舗を計画する。

海外の出店も強化する。桜井社長は「10年前にシンガポールに出店し、台湾にはフランチャイズで出店している。まずはシンガポールでしっかりと利益を出せる体制にして、隣国を含めて海外出店していきたい」とし、マレーシアやインドネシアなどへの出店を検討していく。

取材・執筆 比木暁

ハンズ/「近鉄和歌山店」10/15オープン、和歌山県初出店

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