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良品計画は9月4日、東京・有楽町の世界最大旗艦店「無印良品有楽町」をフルリニューアルオープンする。
無印良品有楽町は2001年11月にオープンし、1階~3階の3フロアに営業面積約3277m2を展開し、約402m2のCafe&Meall MUJIを併設する。良品計画の中で最大の売上の店舗となっている。
過去に7回改装を実施しているが、全フロアを同時に改装するのは初めての取り組み。無印良品は1980年に西友のプライベートブランドとして開始、1989年に良品計画を設立し、ブランド創設29年目の1999年に売上高1000億円を達成した。
さらに14年後の2013年には売上高2000億円を達成し、2016年までに売上高が3000億円を突破する見込みだ。同社は、急激な売上拡大は、単に商品力の向上、出店の拡大だけではないと分析する。
店舗やWebを通じて、「くらし」についてかかわってきたことが顧客の共感を得ており、「くらし」に向き合いながら、お客とのつながりを作ってきたことが売上増かの要因と見ている。
無印良品が提案する「感じ良いくらし」の提案と情報発信力をさらに強化するリニューアルで、「本」から生まれる思いがけない「発見とヒント」、住空間から生まれる「発見とヒント」、衣服のリサイクルから生まれる「発見とヒント」の新しい取り組みを実施。
顧客参加型コミュニケーションスペースを設置し、Cafe&Meall MUJIのカフェメニューの強化を行った。
最大の品そろえと最新のサービスを導入し、お客との双方向でのコミュニケーションをさらに強化。世界26の国と地域に700店以上を展開する無印良品最大の旗艦店として、これまで各地域のお客に提案してきた商品やサービスを一堂に会し、無印良品の「今」を伝える。
良品計画の2016年2月期第1四半期決算(3~5月)の部門別売上構成比は、衣服・雑貨35.9%、生活雑貨55.5%、食品7.2%、その他1.4%だった。有楽町でも、平均的な売上構成比を踏襲した品ぞろえをした。
現在、無印良品は約7500アイテムを展開しており、フルラインの商品をそろえた。オリジナル商品の無印良品のほか、世界中の良い商品を無印良品の視点で選定し提案する仕入商品「Found MUJI」を展開する。
改装のテーマは「生活にかかわる新しい発見とヒントに出会えること」で、商品と書籍が融合する売場を建設設計事務所のアトリエ・ワンが開発した本棚で提案した。
3月にリニューアルオープンしたMUJIキャナルシティ博多で導入した「MUJI BOOKS」を展開。MUJIキャナルシティ博多で、選書を担当した編集工学研究所の松岡正剛所長が選んだ2万冊を展開する。
MUJIキャナルシティ博多は、3万冊の書籍を書籍売場で展開するが、無印良品の売場とは独立した形で、商品と書籍が分離していたため、新たにアトリエ・ワンによる什器を設計し、商品と書籍が融合する売場を目指した。
商品を書籍を融合させることで、くらしのヒントをより刺激する。選書を担当した松岡正剛氏は「キャナルシティで初めて選書を担当して、無印が持っている無と素の世界と書物や本が持っている世界の組み合わせが面白く、これはいけると感じた。有楽町の空間で2万冊は、まだ少ない。新書や文庫など、まだ置けていない書籍もあり、もっと本を入れてみたい」と語る。
選書のコンセプトは、「くらしのさしすせそ」。さ=冊・読むことの歴史から本を巡る2000冊、し=食・食を巡る2000冊、す=素・素材を巡る2000冊、せ=生活・生活を巡る2000冊、そ=装(そう)・衣を巡る2000冊の1万冊を展開。そのほか、1万冊を各売場にちりばめた。
これまでも書籍の取り扱いはあったが、有楽町では400冊程度の展開だった。MUJI BOOKSの導入にあたり、書籍の専任担当者を7人程度配置。書店並みのサービスの提供を目指す。
MUJI BOOKS内には、コーヒーの自動販売機を設置し、コーヒーを飲みながら書籍を読める環境を整えた。中央の柱に、今日のずっといい言葉の紹介コーナーを設置。書籍担当者が日替わりで、店内で販売する書籍から拾い出した言葉を紹介する。
1階の旅行関連商品を集積した「MUJI to GO」では、旅をテーマにした書籍を展開。紳士服ではダンディズムをテーマにした書籍、食品売場前に料理関連書籍、家具や収納品を中心に展開する3階の入口には、家と本をテーマにした書籍を展開し、商品と書籍が融合する売場を目指した。
MUJI BOOKSは、今後出店する大型店や既存の大型店のリニューアルでの導入を検討する。既存店でも書籍と商品の融合に取り組むという。
3階の住空間では、世界の無印良品の中で最も充実した展示を実施。住空間の相談に応じる社内資格を取得したインテリアアドバイザー10人を配置した。収納や部屋の模様替えの相談からリノベーションまで、インテリアアドバイザーが対応する。個人の自宅に限らず、オフィスなど、法人需要も受け付ける。
新たなサービスとして、購入した中古マンションや既存のマンションの部屋で、壁紙や床を全て剥がし、まっさらな状態にするサービス「INFILL0(インフィルゼロ)」を提供する。これまで、住宅都市整備機構など、BtoB向けのサービスとして展開していたが、有楽町で初めて東京23区の一般客向けにサービスを展開する。
インフィルゼロのサービスを利用した後、壁紙や床材などを含め、無印良品の商品で部屋を構成する「INFILL+(インフィルプラス)」の展示コーナーを併設。汎用性のある使い勝手の良いキッチンや収納など、暮らしのパーツを組み合わせ、部屋のトータルコーディネートを提案する。
施工作業が伴うインフィルゼロは、グループ会社のMUJI HOUSEのリノベーション専任スタッフが対応、インフィルプラスの提案は無印良品のインテリアアドバイザーが担当することで、素材選びやデザイン、施工まで一貫したサービスを提供する。
インフィルプラスでは、既存商品を活用するため、市場価格よりも低価格で、住宅のリノベーションが可能になるという。住空間売場では、デジタルサイネージと実物を配置し、インフィルゼロとインフィルプラスのサービスを体感できる工夫をした。
衣服のリサイクルから生まれる「発見とヒント」の取り組みとして、「Re MUJI」コーナーを設置した。Re MUJIとは、これまで行ってきた無印良品の古着回収で集まった商品で、服として再生できる洋服を、国内工場で染め直したシャツやカットソーなどを販売する取り組み。
3月に博多にオープンした「無印良品天神大名」、4月に増床リニューアルをした「無印良品名古屋名鉄百貨店」での取り組みを、関東地区で初めて、有楽町に導入した。
販売するRe MUJIは、一律税込2900円で販売する。今回、これまでの藍色に加え、有楽町先行で黒色に染めた商品を新たに導入した。
これまで展示空間として利用してきた「ATELIER MUJI」は、顧客参加型コミュニケーション活動に重点を置いた「Open MUJI」に一新した。
毎週土曜日に各界で活躍する人々を招き、イベントやワークショップを開催する。9月4日~11月8日は、「お直し市場」を実施。壊れても古びても、捨てずに大事にとってある大切なものを直す技術やお手入れ方法などをクリエーターや職人が実演でする。
2001年に良品計画初の飲食事業としてスタートした「Meal MUJI」は、現在、有楽町以外の飲食店が「Cafe&Meal MUJI」となっていること対応し、「Cafe&Meal MUJI」としてリニューアルした。
キャナルシティ博多で導入したコーヒー豆の焙煎機やエスプレッソマシーンを新たに導入し、ドリンクメニューの充実を図った。
良品計画では現在、1m2あたりの売上高の向上に取り組んでいる。2015年2月期は1m2あたり売上高5万3000円(前年比2.5%増)で、2016年2月期第1四半期は5万9300円(0.7%増)となっている。
そのため、従来よりも商品在庫を陳列できるハイ什器を採用。アイランド陳列の什器も従来の足元のストックスペースを廃止し、床面近くから商品陳列できるタイプに変更することで、商品を陳列しながら、在庫できる工夫をした。
実験的な取り組みとして、セルフレジを2台導入。カードと電子マネーのみに対応するレジで、買い上げ点数が5点以下のお客のレジ待ち時間の短縮を検証する。
良品計画では、世界展開を重視し、商品、売場、販売促進のグローバル化を進めている。販売促進では、言葉でなくビジュアルで商品が伝わる用に、一部商品で、10秒~15秒の動画を活用したプロモーションを放映する取り組みも開始した。
有楽町での取り組みは、日本の主要な都市の大型店だけではなく、世界の主要都市に展開する無印良品へも波及させていくという。
店舗概要
所在地:東京都千代田区丸の内3-8-3
インフォス有楽町1~3階
TEL:03-5208-8241
営業時間:10時~21時
営業面積:無印良品約3277m2、
Cafe&Meal MUJI約402m2
<1階>
https://www.ryutsuu.biz/topix/h090423.html
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