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SAS/フォーラムでローソンの横溝常務が業務改革講演

2009年02月26日 / IT・システム

SAS Institute Japanは2月26日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで「SAS Forum Japan2009」を開催した。米SAS InstituteInc.のジム・デイビス上級副社長兼CMOとローソンの横溝陽一常務執行役員CIOによる基調講演ほか、12のセッションを実施。延べ750人が受講した。

ジム・デイビスCMOが、「経済危機を勝ち抜く経営」と題して講演。この中で複雑な経営課題の解決を支援するフレームワーク「SAS Business Analytics Framework」の概要を公開した。

具体的には、データ統合、分析・予測、レポーティング、ビジネス・ソリューションの4つの構成要素を提示した。データ統合は、企業内に分散しているデータを収集し、全社で一貫した形式に統合することでデータの品質を高めるプロセス。分析・予測についてデイビスCMOは、「過去データではない予測的分析が重要。『もしこの傾向が続いたら』といった経営者の疑問を分析するには、前もって将来のプロアクティブな問題に回答する必要がある」と説明した。レポーティングについては、「意思決定をサポートするさまざまな顧客に多様なデータを提供するため、情報を加工して提供する」と解説。ビジネス・ソリューションは、予見力によって複雑な経営課題を解決するための、ソフトウェアやサービス、トレーニング、サポートなどの統合システムと位置づけている。

デイビスCMOは、「経済停滞による苦境を克服するためには、BusinessAnalyticsFrameworkを確立することが重要だ。そうすれば、年単位ではなく、月単位で経営課題を解決することが可能となる」と締めくくった。

ローソンの横溝陽一常務執行役員CIO・ITステーションディレクターは、「次世代ローソンを創るBICC構想~ローソン3.0での業務改革PRiSMとその打ち手」と題して講演。ローソンの戦略の紹介するなかで、「PRiSM」と名付けられた業務改革プロジェクトを解説した。

<講演するローソンの横溝陽一常務>
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「PRiSM」のビジョンは、「顧客をはじめクルーやオーナー、社員からも『選ばれるローソン』になること」と説明した。また内部資料をスクリーン上で公開し、「弱気発注」などローソンの抱える「7つの敵」を指摘したうえで、「ユーザー第一に考える」や「仕入数と客数をマッチさせる」などPRiSM導入による7つの変化を明示した。また、BICCによって分析力を武器とする企業を目指すため、本部がインテリジェンスを統括する「インテリジェンス・コンピテンシー・センター」の設立を表明した。

<次世代ITシステム「ローソン3.0」の俯瞰図>
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横溝CIOは「ノウハウやリクエストといった定性的情報に加え、定量情報を新しいIT技術を使って分析すれば、経営課題を克服できる。経営課題に片足を置き、もう片足をITに置きIT施策を自ら考える必要がある。SASの充実した開発環境を用いて、自動化ツールを作成し大規模データを分析すれば、100倍以上の効率化が図れると予測する。市場の変化を読み取り、それに対応する経営を行う。そのためにSASのシステムを活用する」と講演を締めくくった。

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