日本百貨店協会/9月の総売上高7.8%減の約4762億円
2009年10月19日 / 月次
日本百貨店協会が10月19日に発表した9月の全国・東京地区の百貨店売上概況によると、全国の百貨店(調査対象87社・270店舗)の売上総額は約4762億円と、前年同月比で7.8%減となり、19か月連続で減少した。
全国の動向は、雇用不安や所得環境の悪化、また内需不振によるデフレの進行などが重なり、高額品を中心に厳しい商況だったが、地方都市の一部で下げ止まりの傾向が見られたほか、値頃商材の拡大や催事の強化など各店の対策効果が下支えしたこともあり、売上減少幅は8月比で1.0ポイント改善。
具体的な動向としては、業績低迷による法人需要の減退から外商など非店頭売上が不調だったこと、食品売上やセール比率の増加で客単価が低下していることなどマイナス要素も見られた一方、シルバーウィークが好天に恵まれ入店客数に大きく寄与し、地方物産展やプロ野球優勝セールなどの各種催事が概ね活況であったこと、主力の衣料品分野でも単価ダウンの中で買上件数には復調の兆しが見られることなどがプラス要素となった。
商品別動向では、増加したのはその他食料品(0.6%増)と菓子(0.5%増)、家電(1.9%増)のみで、それ以外はすべて減少した。美術・宝飾・貴金属(16.0%減)、家具(14.2%減)の落ち込みが目立ち、衣料品は紳士服・洋品が11.6%減、子供服・洋品は8.9%減となるなど減少し、衣料品全体では11.0%減だった。
地区別動向では10都市以外の地区で北海道が3.5%増と増加。10都市以外の地区で最も落ち込んだのは東北の11.7%減で、10都市の前年比実績は7.9%減、10都市以外の地区は7.8%減となった。10都市では東京(10.5%減)の落ち込みが目立った。
東京地区(14社・27店舗)の売上概況は総額約1172億円(10.5%減)とやはり19か月連続で減少。全国平均と比べ東京地区の売上減少幅は大きくなっているが、改装工事による売場面積減、前年の法人大口需要の反動減、売上計上方法の変更など、特殊要因を抱える店舗が重なったことなどでの減少となった。特殊要因を除くとほぼ全国並みに推移した。
シルバーウィークは東京地区の各店ともに活況で、特に商圏外の地方からの来店が多く、菓子類を中心に土産需要が盛り上がった。一部の店舗ではゴールデンウィーク以上の売上効果を報告するケースも見られた。9月は残暑もなく秋らしい天候に恵まれ、不振が続いている衣料品などファッション分野でも秋物商材の堅調さが確認された。さらに集客力で定評のある北海道物産展が新宿地区の3店で同時開催されたほか、都内の多くの店舗で実施され根強い人気と売上効果を発揮した。さらに前月同様、中国人観光客の入店が増加傾向を示している。
商品別動向では、サービスが11.4%増と増加し、家電も0.9%増、その他食料品も0.4%増と微増。一方、その他(18.2%減)、その他家庭用品(13.0%減)、美術・宝飾・貴金属(21.8%減)、雑貨(13.7%減)の落ち込みが大きかった。衣料品は紳士服の減少(14.7%減)などで全体では12.4%減となった。
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