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イトーヨーカ堂/農業事業会社設立、全国10か所へ循環型農業拡大

2010年05月19日 / 経営

イトーヨーカ堂は5月19日、農業事業の中核会社セブンファームを全額出資子会社として7月に設立すると発表した。

新会社は、各地での農業法人の新規設立や事業拡大、食品リサイクル網の整備等を一元管理する統括組織として機能する。2008年から千葉県内で実施している完全循環型農業を、2013年2月末までに全国10か所へ拡大する考えだ。

農業従事者の高齢化や耕作放棄地の増加、農地法の改正など、農業を取り巻く環境は転換期にある。セブンファームは、各地域ごとに最適な法人形態(農業生産法人形式、事業会社方式)を設置し、持続可能な地域農業を進める。

まず、神奈川県三浦市と茨城県筑西市に、各地域の農業グループ等と共同出資でセブンファーム傘下の事業会社を設立し、直営農場の運営を開始する。一方、北海道や東北、関東、中京、関西等の店舗展開エリアを中心に農業事業を順次拡大していく。

農業事業の拡大にともない、食品リサイクルの実施店舗数を全国100店舗(2010年2月末は約60店舗)まで拡大することで、2007年に改正された食品リサイクル法における数値目標「食品リサイクル率45%」を達成する見込みだ。

イトーヨーカ堂は2008年8月、企業の社会的責任(CSR)活動の一環として、食品リサイクルの向上と地域農業の活性化を目的に、セブン&アイグループ初の農業生産法人「セブンファーム富里」を設立した。JA富里市・農協組合員との共同出資。
 
千葉県内のイトーヨーカドー店舗から回収した食品残さを堆肥化し、直営農場(千葉県富里市)に導入して栽培、収穫した野菜を残さ回収した店舗で販売する完全循環型農業を、大手小売業で初めて構築した。直営農場の面積や栽培品目、収穫量とも拡大し、2009年11月には「JGAP認証」を取得、2009年度(1~12月)通期で黒字化を達成している。

新会社の概要
商号:セブンファーム
所在地:東京都千代田区二番町8-8
設立:2010年7月(予定)
資本金:1100万円(イトーヨーカ堂100%出資)
事業内容:各地における農業法人の新規設立や事業拡大の進捗管理、食品リサイクル網の構築・整備など  

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