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パルコ/森トラストからの取締役10人選任提案を拒否

2011年03月31日 / 経営

パルコは3月31日、森トラストより取締役10名選任の株主提案があったが、反対を表明した。

提案内容は、イオンの取締役選任の提案と同じもので、森トラストは、イオンの提示した事業提携案に賛同しており、事業提携の早期実現とシナジー効果の最大化のために、森トラストとイオンから貴社に対して取締役を派遣することが極めて有効であるとしている。

さらに、新たなガバナンス体制の下、イオンとの事業提携を通じた積極的な成長戦略の遂行を可能にするため議案を提案したという。

パルコ側では、「パルコの出身者の取締役候補が1名であるのに対して、提案者とイオン出身者で合計5名で、そのうち1名をCEOとすることを前提は、パルコの企業価値・株式価値の維持・発展には資さない」としている。

また、イオンとのシナジー効果について、「企業価値・株主価値に重大な影響を与えうる諸点について十分な説明を受けていない」「具体的な提携のあり方について議論を深めることを提案させて頂いた段階に過ぎないと判断している」という。

提案を分析する限り「大きなシナジー効果は期待できず、むしろブランドを毀損し、お客とテナントからも支持されない虞が強い」と考えている。

イオンは、自らのビブレ・フォーラスのパルコへの移管、イオンの展開する施設へのパルコの出店を掲げているものの、ビブレ・フォーラスの業況ついての詳細が一切不明、かつ移管の経済的条件が業務提携後に協議するとの扱いとなっている。

パルコの取締役会では、この株主提案を受け入れることは「ブランドイメージに対して大きなリスクが生じると思われる」としている。さらに、「不透明なままイオンが経営参加することは企業価値・株式価値を毀損しかねない」として、この株主提案に反対を表明した。

なお、パルコは同日、イオンに対して、30日付の「貴社取締役会のご見解に関しまして」対する、取締役会の見解を公表した。

イオンの株式の取得等について、大規模買付行為に該当することは否定できないと判断し、パルコの特別委員会では、今後さらに必要な検討を予定しているとしている。

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