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宅配寿司茶月/破産手続き開始決定、負債78億円

2013年02月18日 / 経営

帝国データバンクによると、春陽堂と茶月は、1月15日に債権者より京都地裁へ破産を申し立てられ同日保全命令を受けていたが(その後、大阪地裁に移送)、2月8日に大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。

負債は、春陽堂が2012年3月期末時点で約50億2700万円、茶月が2011年9月期末で約28億3100万円、2社合計で約78億5800万円。

春陽堂は、1946年7月創業、1950年1月に法人改組された。テイクアウト・宅配寿司店「茶月」「神田一番寿司」、回転寿司店「海鮮大名」、ピザ・パスタ料理「サンマルコ」、中華料理「春陽堂」などを運営する春陽堂グループの中核会社。

従前は飲食事業を自社で運営し、主力事業の寿司小売店「茶月」は、持ち帰り寿司店として地元では相応の知名度を有し、関西地区を基盤に関東・東海地区へも積極的に進出した。

その後はカレーショップ、ラーメン店、惣菜店なども手がけ、総合外食チェーンとして業容を拡大し、92年3月期には年売上高約363億8300万円を計上していた。

その後、2004年、2005年に経営合理化、収益改善を目的に店舗形態別、事業形態別などに会社分割を実施し、主に宅配寿司「茶月」を運営する茶月(2004年10月設立、2011年9月期の年売上高約75億7500万円)などを設立した。

現在では、その営業子会社に対して食材供給、店舗設備等の賃貸、FC(フランチャイズ)店の経営指導などを手がけ、2007年3月期には年売上高66億9900万円を計上していた。

しかし、競合店舗の増加、外食業態の多様化などから営業子会社の来客数減少、客単価下落に歯止めがかからず、2012年3期の年売上高は約36億7700万円にまで減少していた。

店舗出店、建設などに伴う借入金が重荷となり、厳しい繰り回しが続いていたため、中核の「茶月」部門を中心に不採算店舗の閉鎖や人員の削減などを実施して立て直しに努めていた。

2012年10月には、関東地域直営店・FC店87店舗を小僧寿しの子会社に譲渡し、同時に同社と「業務提携契約」を締結し、食材の購買、物流、広告宣伝などで協力することを取り決めていた。

しかし、その後も業況は改善せず、給与の未払いが発生するなど資金繰りは悪化、今回の措置となった。

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