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第一繊維/元・紳士服イージーオーダー縫製加工、特別清算

2014年04月01日 / 経営

帝国データバンクによると、第一繊維は3月12日に東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債は推定で30億円。

1935年創業、1947年7月に法人改組。「イージーオーダー花菱」としてオーダースーツを中心とした紳士服、婦人服の縫製加工を手がけていた。70年頃に現在の実質本店となる岩槻工場を開設してから、同業者を買収する一方、製造拠点、販売店を整え徐々に業容を拡大した。

本店のあるさいたま市岩槻区の工場をはじめ、東北地方にも複数の縫製工場を構えるなど、同地では業界上位に位置する紳士服メーカーとして知名度を有し、ピーク時の91年2月期には年売上高約141億2200万円を計上していた。

しかし、その後はバブル崩壊による個人消費の低迷などから売り上げは減少。さらに、安売り攻勢を強める同業他社の台頭などから、紳士服業界においても低価格化が進み、比較的高額なオーダーメイドを強みとしていた販売戦略は厳しい状況に追い込まれていた。

2001年2月期以降は年売上高が100億円を割り込み、2006年2月期には約61億6900万円まで減少、同期は9億円を超える最終赤字に陥っていた。

この間、不採算店舗の閉鎖や工場の統廃合、さらには人員削減など各種リストラを進めて経営の効率化を図っていたものの、拠点の閉鎖を行ったことで売り上げの減少を招いたほか、リストラに伴う諸経費の上積みから多額の損失計上が続いていた。

近時は年売上高が50億円前後にまで落ち込むなど業況悪化に歯止めがかからず、年商規模に近い水準まで達した借入金の負担も重くのしかかり資金繰りは悪化した。

会社分割により事業再生を目指すことを決め、2013年3月に新会社としてフェニックス・キャピタル・パートナーズ・フォーティーンを設立し、同年6月に同社の商号を花菱縫製に変更した。

同年7月1日をもって商号をそれまでの花菱縫製から現在の第一繊維に変更し、会社分割をして新会社の花菱縫製に事業を移管していた。その後同年11月30日には会社を解散し、残存負債を処理すべく清算手続きに入っていた。

なお、現在も新会社の花菱縫製は通常通り営業を続けている。

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