王将フード 決算/3月期増収増益、売上高・営業利益ともに過去最高
2025年05月15日 16:25 / 決算
王将フードサービスが5月15日に発表した2025年3月期決算によると、売上高1110億3300万円(前年同期比9.5%増)、営業利益109億400万円(6.0%増)、経常利益113億1200万円(7.8%増)、親会社に帰属する当期利益80億7100万円(2.0%増)となった。
売上高と営業利益ともに過去最高で、4年連続の増収増益となった。
売上は2022年2月から38カ月連続で同月比過去最高を達成している。
営業利益は、昨年よりもさらに高騰した原材料や包材の単価上昇などがあったものの、増収効果などで増益に。
原材料価格や物流費、光熱費などの高騰を受け、期中に2度の価格改定を実施。どちらの価格改定後も客数は増加し、好調を継続。
特に店内飲食が大きく伸びるとともに、テイクアウト&デリバリーも引き続き好調に推移。
背景として、王将アカデミーが主催する研修などによって調理技術や調理方法が向上したことが寄与した。
さらに餃子のさらなる美味しさの追求、接客応対研修による人にしかできないホスピタリティの習得、清掃マニュアルのブラッシュアップによる徹底した衛生管理など、QSC向上に向けた取り組みが奏功した。
また、昨年6月の1度目の価格改定では、グランドメニューのうち価格改定を行った13品目について、調理の改良点と、どのように変わったかを分かりやすく告知。
2度目となる今年2月の価格改定では、新聞への全面広告を通じて顧客に価格以上の価値を提供するというプロの料理人たち(同社従業員)の約束を表明して、来店を促した。
店舗展開では、新規出店が直営店11店、FC加盟店2店。閉店は直営店5店、FC加盟店11店。店舗数は直営店とFC加盟店を合わせて3店の純減。その結果、合計店舗数は728店(直営店551店、FC加盟店177店)となった。
人的資本への投資では、2024年度の月例給改定で一人当たり平均3万9162円(賃上げ率11.5%)と前年度の過去最高を上回る引き上げを実施。
夏期賞与では、労働組合からの要求に対して満額回答となる100%水準に、13%分を加算して支給。冬期賞与も労組の要求に満額回答するとともに、賞与テーブルの10%分を加算賞与として上乗せし、合計110%水準の支給を行った。
その結果、社員の平均年収は過去最高額を大幅に上回り、10年前の2014年と比較すると1人あたり100万円以上の年収増となった。
大卒新卒初任給は、5万2000円の引き上げを実施(実施後大卒初任給27万8500円)し、有能な人材の確保につなげた。
2025年度の月例給の改定では、労組からの要求を上回る1人当たり平均3万139円(賃上げ率8.2%)の賃上げを実施。大卒新卒初任給はさらに2万1500円引き上げて30万円とした。
次期は、売上高1197億3100万円(7.8%増)、営業利益112億7100万円(3.4%増)、経常利益114億1700万円(0.9%増)、親会社に帰属する当期利益80億8500万円(0.2%増)を見込んでいる。
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