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井上工業/100円均一ショップ向け商品企画、自己破産で負債33億

2014年09月25日 / 経営

帝国データバンクによると、井上工業は9月24日、事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。負債は2013年7月期末時点で約33億2700万円。

1965年6月の創業、1973年11月に法人改組。当初は、若狭塗箸の製造を主体に行っていたが、1984年に国内有名キャラクターのライセンスを取得して以降は、次第に各種キャラクター商品の企画および卸売へと業態を転換。卓上用品(箸、スプーン、コップ)を中心に、バス用品、キッチン用品、バッグ、文房具など扱い商品を拡大していた。

100円均一ショップ向けを中心に雑貨問屋、スーパー、玩具商などを販路として確立し、東南アジア向けへの輸出も開拓。2005年3月には海外有名キャラクターのライセンスを取得したこともあって受注が大きく伸び、2005年7月期には年売上高約46億1600万円を計上していた。

しかし、以降は主力得意先の自社生産比率引き上げなどから受注が減少し、2010年7月期の年売上高は約25億200万円にダウン。このため、100円均一ショップ以外の量販店やドラッグストアへ販路を開拓したことで、2013年7月期は年売上高約38億4200万円にまで回復していた。

一方、円安基調を要因として仕入れの大半を占める中国からの仕入れコストが高騰し、採算面は低調に推移。昨年秋以降は、支払い遅延も発生し取引先からの警戒感も強まっていたなか、ここへきて代表が死去したこともあって経営を継続することが困難と判断し、今回の事態となった。

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