経済産業省は1月28日、Mizkanの冷やし中華つゆについて天気予報による需要予測を行い、5%を超えて食品ロスが一定量削減できる可能性を確認した。
季節商品である冷やし中華つゆの市場規模の売上を解析した結果、冷やし中華つゆの売り上げはピークを越えた後は気温と連動しないことがわかった。
長期の気象予測は気象庁の1か月アンサンブル予測に加えて、ECMWF(ヨー ロッパ気象局)のアンサンブル予測を利用することで精度向上も確認した。
売上解析では、気温以外に、気温による消費者心理の転換点解析等を考慮した日本気象協会独自の需要推定統計モデル手法が有効で、精度が高い検討結果となった。
気温だけで売上を説明する場合は決定係数0.59 と十分な精度を確保できなかった。
しかし、気温以外の「気温による消費者心理の転換点解析」等を考慮する気象協会独自の需要推定統計手法では寄与率がおよそ1.6倍向上し、0.97に向上した。
決定係数は、推定需要値が実際の売上をどのくらい説明できるか(寄与率)を表すもので、決定係数が 0.97の場合は97%の売上を気象で説明できることを意味している。
次世代物流システム構築事業の一環として、日本気象協会と連携し、天気予報で物流を変える取り組みとして「需要予測の精度 向上による食品ロス削減及び省エネ物流プロジェクト」を実施したもの。
食品の物流では、製・配・販の各社がそれぞれ独自に、気象情報や各社が持つPOS(販売時点情報管理)データなどに基づいて需要予測を行うのが一般的。
しかし、製・配・販各社が需要予測で用いるデータは十分に共有されているとは言えず、各流通段階で生産量や注文量にミスマッチ(予測の誤差)が起こり、廃棄や返品ロスなどのムダが生じる一因となっている。
このプロジェクトでは、日本気象協会が気象情報に加えて POSデータなどの ビッグデータも解析し、高度な需要予測を行ったうえで製・配・販の各社に提供し、参加企業における廃棄や返品等を減少させ、更には不要に発生している二酸化炭素を 5%削減を予定している。
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