大手百貨店/6月売上高三越伊勢丹9.1%減・H2O12.0%減、免税売上高が大幅減
2025年07月04日 11:33 / 月次
百貨店4社が発表した6月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比9.1%減、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)4.6%減、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)12.0%減、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)4.0%減だった。
各社は国内顧客は堅調なものの、免税売上高は好調だった昨年の反動で苦戦している。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 9.1%減 |
J.フロントリテイリング | 4.6%減 |
H2Oリテイリング | 12.0%減 |
高島屋 | 4.0%減 |
■三越伊勢丹HD(2025年3月期売上高:5555億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比10.6%減、三越日本橋本店店頭4.7%減、三越銀座店11.5%減などで、三越伊勢丹計9.1%減だった。
函館丸井今井7.6%減、仙台三越6.3%減、新潟三越伊勢丹6.7%減、静岡伊勢丹9.5%減、名古屋三越9.1%減、高松三越12.9%減、岩田屋三越13.9%減など、国内グループ百貨店計は9.6%減、国内百貨店計は9.2%減となっている。
昨年の実績が大きい免税売上高は前年を下回っている。一方、識別化が順調に進んでいる国内顧客売上高は首都圏を中心に堅調に推移している。
国内顧客は、識別顧客を中心に引き続き高付加価値商品への関心が見られるという。
中でも次シーズン(2025年プレフォール)を立ち上げた伊勢丹新宿本店では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に今から着られる商品が好調だった。
海外顧客向けのアプリの会員数も堅調に伸びている。
■J.フロントリテイリング(2025年2月期売上高:4418億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比2.6%減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は4.6%減だった。
6月は、外商売り上げは堅調に推移したものの、休日が1日昨年より少なかったこともあり、ラグジュアリーブランド、化粧品が前年実績を下回った。
店舗別では、アニメ・キャラクターゾーンなどが好調に推移した梅田店が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が前年を上回ったが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売り上げが前年を下回るなど客単価の低下により、31.4%減、客数0.6%減、客単価31.0%減となっている。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2025年3月期売上高:6817億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比12.0%減となった。内訳は阪急本店18.0%減、阪神梅田本店8.2%増、支店計7.1%減。
6月は免税売上高が、前年の反動と円高傾向により、前年に対して約4割減と3月以降苦戦している。
一方、全店として食品の売り上げは安定的に推移し、郊外店の売上高合計は前年実績を上回った。
阪神梅田本店は改装以降、導入した大型専門店と他売り場との来店客の買い回りも多く、特にファッションとライフスタイルの売上高は前年の約1割増と伸びている。5月にリニューアルオープンした川西阪急スクエアの売上高も前年比5%増と好調だった。
阪急本店は、免税売上高が約5割減と大きく減少。来春完成予定のリニューアル工事は本格化しており、一部売り場を縮小していることも響いた。
ブライダルニーズが継続するアクセサリー、フレグランスは好調に推移している。
■高島屋(2025年2月期営業収益:5750億円)
高島屋各店計は2.2%減、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は4.0%減だった。
免税売上高35.9%減となっている。
免税を除いた店頭売上高は1.5%増となっている。
店舗別売上高は、日本橋店、玉川店、大宮店、EC店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、子供情報ホビー、美術、食堂が前年実績を上回っている。
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