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ゴールデンマジック/社内研修制度「サバ・餃子検定」、主力メニュー差別化

2015年06月17日 / トピックス店舗経営

九州熱中屋を中心に居酒屋を展開するゴールデンマジックの業績が急速に成長している。

写真1<九州熱中屋(上野LIVE店)>
九州熱中屋(上野LIVE店)

2009年5月に会社を設立し、初年度2億7000万円だった売上高は、6期目となる2015年2月期には44億5300万円(前年同期比20%増)に拡大。2016年2月期は売上高60億円を見込む。創業以来、平均で193.1%の成長率となっている。

同社の急成長の要因について、斉藤征晃取締役経営企画室室長に聞いた。斉藤室長は「当社の強みは、食で笑うを追求する居酒屋という会社の理念そのものにある。メニュー開発から、サービスの提供まで、全てを原点に立ち返り考え、お客だけでなく、従業員も含めて、食で笑うを追求している」と語る。

写真2<活豊後さば刺し>
活豊後さば刺し

同業他社との差別化として、重視しているのが、看板メニューの店内調理化だ。主力業態の九州熱中屋では、「活豊後さば刺し」「博多一口鉄板餃子」「佐賀県呼子名物泳ぎいか刺し」の3つを看板メニューとする。

写真3<店内水槽で活魚を提供>
店内水槽で活魚を提供

店内に水槽を設置し、さばを活魚で泳がせるほか、イカも生きた状態で入荷。店内でさばき、料理を提供する。博多一口鉄板餃子の餃子は、全て店内で餃子を作っている。

写真4<佐賀県呼子名物泳ぎいか刺し>
佐賀県呼子名物泳ぎいか刺し

斉藤室長は、「食で笑うのはお客さんだけではない。メニューを提供する従業員も、食で笑う環境を整えた。よくできた冷凍の食材を温めて提供し、お客さんが喜んだとしても、従業員に感動はないだろう。自分が調理した食材が喜んでもらえたことにこそ、感動があるはずだ」と語る。

写真5<博多一口鉄板餃子>
博多一口鉄板餃子

店内調理では、店舗ごとの調理レベルに差が生まれ、結果的にメニューの品質維持が難しくなるリスクがあるが、社内研修制度として2014年4月から、「サバ・餃子検定」を導入した。

店舗運営全般を担う店長と調理場の責任者である調理長の社員のほか、アルバイトも店長の推薦で受験できる検定。調理長は必須、店長は立候補で受験する。

写真6<有段者は店舗入口に表札で紹介>
有段者は店舗入口に表札で紹介

11級~初段、初段~10段、最終的には師範という称号を用意し、有段者には名前を書いた表札を付与。店舗入口には、保有する段数を示す星ととも、名前が掲げられる。

3か月に一回のペースで検定を実施。当初の参加者は40人程度だったが、現在は70人程度が参加する。6月10日、16日、20日、27日の日程で、第5回の検定を実施する。

検定では、さばの処理、餃子作りを1秒単位で計測し、段位を認定する。餃子は1個30gが基準で、29g~31gが合格。1皿13個で、餃子の総重量は385~395g以内に収める。ひだの数が8枚で、きれいに並べられているかを評価。サバは、さばき方のほか、切り身幅は1.8~2.2mmを基準として、盛りつけの鮮やかさを評価する。

師範レベルは、餃子は2分以内に基準にあった商品を作ることができ、さばは5分以内に活魚から基準にあった姿作りが作れるレベルという。現在までに、15人程度が有段者に認定されている。

評価レベルを細かく設定し、合格、不合格という線引きをしないことで、自分の成長度を測りやすい仕組みを目指した。

検定は、1回にさばと餃子の両方を実施し、それぞれ各15分の入れ替え制で行う。自分が検定を受けない間は、他の店舗の従業員の実技を見学することができ、実技研修だけでなく、従業員同士の交流の場としての役割も担っている。

現在は、店舗が集中する関東地区の店舗の従業員を対象としているが、3月に進出した関西地区の店舗でも将来的に、検定を実施する方針だ。

斉藤室長は、「今後も、しっかりとおいしいものを、おいしいうちに、手作りで提供するという基本に忠実な店舗運営を維持しながら、出店を拡大していきたい」と語った。

■サバ・餃子検定
http://www.golden-magic.com/nechuya/brand/brand-2146/

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