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さのやなど3社/食肉販売、破産手続き開始で負債30億5500万円

2015年09月16日 / 経営

帝国データバンクによると、さのやと、関連会社のサノ・コーポレーション、グッドリレーションの3社は、7月17日に京都地裁へ自己破産を申請し、9月4日に同地裁から破産手続き開始決定を受けた。

負債は、さのやが約19億7700万円、サノ・コーポレーションが約10億200万円、グッドリレーションが約7600万円で、3社合計約30億5500万円。ただし、負債額の中には、グループ間の債権・債務が含まれており、実際の額より膨らんでいる。

さのやは、1931年4月に創業、1989年5月に法人改組。食肉・惣菜類の小売りを主体に、業務用卸も手がけていた。

小売部門については、京都市内6店、滋賀県内1店などのほか惣菜専門店2店、スーパーや百貨店にもテナントとして入居していた。

地元での知名度は高く、提携牧場で有機飼料のみを使って育成した高品質商品を適正価格で販売して同業他社との差別化をはかり、「京のもち豚」などのブランドを擁し、近時のピークとなる2001年4月期には年売上高約28億4600万円を計上していた。

その後、店舗のスクラップアンドビルドを進め不採算店などは迅速に閉鎖させるなどして年売上高は約24億円で推移した。

BSE問題や国内における豚相場価格高騰などマイナス影響が多いなかでも、販売価格への転嫁やサノ・コーポレーションとの連携で売り上げを確保していた。

しかし、近年は内食化傾向などによる外食産業低迷で得意先の業況が冷え込み、長期未収金が発生するなど資金繰りがひっ迫。

金融機関からの資金調達環境が悪化するなか、支払遅延が散発するなど対外信用が失墜し、仕入れに支障を来たすようになっていた。

この間、社長が退任し会長が社長に就任するも1週間ほどで元に戻すなど社内の混乱も生じ、動向が注目されていたが、3月5日に事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入っていた。

サノ・コーポレーションは、1997年2月にさのやの食肉仕入れを目的として設立。さのや以外にも得意先を有し、黒毛和牛を主体に各種肉類の卸売りを手がけていた。

グッドリレーションは2007年1月に代表一族の資産管理会社として設立されていた。これら2社は、さのやに連鎖する形となった。

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