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矢野経済研究所/鉄道系ICカードの累積発行枚数は4823万枚

2009年07月21日 / トピックス

矢野経済研究所は7月21日、鉄道事業者の発行するICカードの市場調査によると、ことし3月末の鉄道系ICカードの累積発行枚数は4823万枚(前年度比25.2%増)と伸長した。

2007年3月末時点では2651万枚、2008年3月末では3851万枚(45.3%増)となっており、順調に拡大を続けているという。

鉄道利用者全体に占めるICカード利用率は、高い事業者では70~80%台だが、低い事業者では10%台だった。利用率が低い理由として、地方では交通専用カードに限定した機能しかないことが考えられるという。

都市圏の鉄道やJR各社は導入当初から電子マネー対応や沿線の商店などとの連携を想定しており、コンビニエンスストアや家電量販店、百貨店、ホテルなど業種・業態を問わず沿線近隣での浸透を図っている。

今後の普及のポイントとしては、利用率の向上やコスト負担軽減などが考えられ、利用率の向上については利用場所の増加が重要だ、そのためにはシステムや機器のコスト負担を軽減する取組が必要としている。今後は、機器メーカーへの低価格化の要請や提案など、業界一丸となった取組が求められる模様。

一方、最近増加してきているのが鉄道系ICカードを地域振興策として利用するケースで、地域の商店街や図書館、大学、病院などでの利用が代表例とされる。地域振興に鉄道系IC カードを活用するためには、費用対効果にとどまらず、地域一体となった積極的な協調姿勢が求められる。

2011年3月末時点の鉄道系ICカードの累積発行枚数は6637万枚(15.6%増)、2012年3月末で7484 万枚(12.8%増)予測。将来的には、鉄道利用分野ですべての鉄道が1枚のカードで利用できるようになり、電子マネー用途での利用場所が大幅に拡大する他、地域振興のツールとして活用されるなどの方向性があると考えられている。

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