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ヤオコー/量目・時間の2軸MD強化「所沢有楽町店」目標年商19億円

2020年06月19日 15:10 / 店舗レポート

ヤオコーは6月19日、埼玉県所沢市に「ヤオコー所沢有楽町店」を出店した。

国道463号線南側と県道6号川越所沢線北側にある深井醤油工場跡地への出店で、北約0.5kmに西武新宿線「航空公園駅」、南西約0.9kmに西武池袋線・西武狭山線「西所沢駅」、南東約1.1kmに西武新宿線・西武池袋線「所沢駅」が、出店地を囲うように位置している立地。

<ヤオコー所沢有楽町店>
ヤオコー所沢有楽町店

今回、深井醤油工場跡地をヤオコーが借り受け、マツモトキヨシ、サイゼリヤ、うさちゃんクリーニングなどとともに近隣型ショッピングセンターを開発した。

出店地は、1km圏内の人口密度が1万人以上と高く、人口・世帯数ともに増加傾向にある。年齢構成は30~59歳がボリュームゾーンとなり、商圏が広がる毎に60歳以上の割合が高くなっている。単身、2人世帯の割合が過半数を占めており、埼玉県平均に比べ、1割程度高くなっている。

<マツモトキヨシ、サイゼリヤも出店>
マツモトキヨシ、サイゼリヤも出店

商圏人口は、1km圏内3万9000人・1万9000世帯、3km圏内23万2000人・11万世帯、5km圏内47万2000人・22万1000世帯。ヤオコーの既存店舗と比べても商圏人口の密度が高く、競争が激しい地域で、おいしさと安さを打ち出した。

メインターゲットは、30~40代のヤングファミリー層、サブターゲットは、シニア層と単身・2人世帯とした。店舗コンセプトは、毎日の食生活が「豊か」になるお店づくりで、「おいしさ」と「安さ」を「量目」と「時間」の2軸で考えるマーチャンダイジングを導入した。

取扱いアイテム数は、約1万2900SKUで、うち生鮮食品1300SKU、デリカ300SKU、グロサリーなど1万1300SKU。商品構成比は、生鮮35.9%、デリカ15.2%、グロサリーなど48.9%。初年度目標年商は19億円となっている。

<青果側入口>
青果側入口

■インストア加工の強みを生かし、多様な量目の商品展開

量目では、ファミリー層に対応したボリュームのある商品から、単身者に対応した小容量の商品まで、内容量に変化のある商品をそろえた。生鮮食品をインストア加工で提供する強みを生かし、多様な量目の商品を展開する。

ファミリー層向けの商品として、大容量であっても少量から使用できる、ひき肉、手羽先、豚バラスライス、豚こま切れなどの冷凍食品をそろえた。

<大容量の冷凍素材>
大容量の冷凍素材

一方で、「ちょっとがイイネ!!」をキャッチコピーとして、惣菜を中心に小量目の商品をコーナー化した。惣菜では、選べるおかずの一品として、小量目商品を訴求する。

<惣菜のちょっとがイイネ!!コーナー>
惣菜のちょっとがイイネ!!コーナー

所沢有楽町店では、新たな取組として、青果部門でも「ちょっとがイイネ!!」が導入。シニアや単身・2人世帯の素材を使いきりたいニーズに対応する。

じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、きゅうり、ピーマン、長なす、パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、チンゲン菜、サニーレタス、ロメインレタス、ゴーヤーなどを小容量で手ごろな価格で販売する。

<青果部門のちょっとがイイネ!!コーナー>
青果部門のちょっとがイイネ!!コーナー

ちょっとがイイネ!!は鮮魚部門でも実施。おかずの一品や、おつまみの一品として、刺身単品盛り各種を販売する。真鯛、ぶり、ほたて、サーモンを各本体298円で販売。値頃な単品盛りのコーナー展開で、好きな刺身、おつまみ、ちょっとしたおかずを選べる売場を実現する。

<鮮魚部門のちょっとがイイネ!!コーナー>
鮮魚部門のちょっとがイイネ!!コーナー

鮮魚は、近海魚と切り身で圧倒的な「旬」と「鮮度」の打ち出しを行い、お客に魚のおいしさを提供する。その日のおすすめの魚1品を「今日のこれ!」として訴求する。

<今日のこれ!は、平オープンケースで大量陳列で展開>
今日のこれ!は、平オープンケースで大量陳列で展開

精肉は、「焼肉売場ではなく焼肉屋へ」をコンセプトに、好きな素材を選べる売場を実現する。牛肉では、焼肉盛り合わせ・大型パック、単品商品、タンやホルモンなどの副素材、キムチやナムル、チヂミ、おつまみキャベツなどの焼肉屋さんの定番メニューを品ぞろえし、日常普段のおかずからハレの日のご馳走まで、満足できる商品を提供する。

<精肉部門のちょっとがイイネ!!コーナー>
精肉部門のちょっとがイイネ!!コーナー

■「時間」軸では、旬、ランチ・飲食ニーズを意識

「時間」軸では、まず生鮮食品で旬を打ち出した。果物は、バラ売りの間口を広げ、旬の果物を半切りやカットフルーツで提供する。花は、マンスリーフラワーとして毎月旬の洋花やミニブーケの提案により、季節を感じられる売場づくりをする。

<すいか売場>
すいか売場

また、青果は、買いやすさを重点にした商品提案を実施。野菜は、頻度品中心に特設平台で圧倒的なボリューム感で陳列する。年間でトマトの品そろえ・展開を充実させ、おいしさを打ち出す。

<青果売場では旬のアスパラガスを大量陳列>
青果売場では旬のアスパラガスを大量陳列

惣菜は、昼には毎日できた立ての米飯3アイテムを取りそろえ、夕方には、「ちょっとがイイね」に加え、豊富な品ぞろえのおかずやおつまみ、ワンコイン商品に切り替えることで、お客のいろいろ食べたいニーズを満たす売場を目指す。

<惣菜の米飯売場>
惣菜の米飯売場

ヤオコー名物の鶏唐揚「幸唐(さちから)」の拡大展開と、焼魚・煮魚・魚唐揚の魚惣菜「漁火(いさりび)」のコーナー化で、一体感のある売場を演出する。

<幸唐、漁火などを専門店的に展開>
幸唐、漁火などを専門店的に展開

寿司は、インストアの強みを最大限に活かし、昼には焼きたての焼きおにぎり、ワンコインで買える作りたてのちらしや丼物を中心に提供する。夕方には、こだわりの本マグロ使用の「握り寿司」など、夕食のメインになる商品を提供し、平日と週末で売場に変化をつけ、お客のニーズに対応する売場を目指す。

所沢有楽町店では、新たな商品として、青果部門の好評のメキシコの生産者ミゲールさんが生産したアボガドを使用した寿司を導入した。

<ミゲールさんのアボガドを使用した寿司>
ミゲールさんのアボガドを使用した寿司

インストアベーカリーでは、毎日の食卓に欠かせない「ロイヤルブレッド」や「フランス産発酵バタークロワッサン」などの食事パンを、ヤオコーこだわりの「発酵バター」のおいしさを伝えることで差別化を図る。日常からハレの日まで幅広い人気のピザを、素材にこだわり、時間帯毎に焼きたてを値頃で提供する。

新たな取り組みとして、これまでアウトパック商品だった「ロースカツサンド」をインストア加工商品として販売する。

<ロースカツサンド>
ロースカツサンド

日配食品の洋生菓子コーナーでは、ヤオコーにしかない商品や話題の新商品を拡販することで、選べる楽しさやおいしさを提供。チーズコーナーでは、ワインに合うオードブル系商品を強化し、ワインとともに併売する。

子育て中のファミリー層に向けた対応として、冷凍食品は毎日低価格で販売するEDLPを採用したほか、アイスクリームでも豊富な品ぞろえとEDLPを打ち出した。

<冷凍食品とアイスクリーム売場>
冷凍食品とアイスクリーム売場

ドライ食品売場では、アレルギー・介護食品などの「からだにやさしい」配慮型の商品を品そろえし、菓子売場では、ナッツなどの豆菓子を豊富にそろえた。酒売場では、PB商品やヤオコー直輸入ワインを値頃で販売する。

<ワインはチーズと関連販売するコーナーを設置>
ワインはチーズと関連販売するコーナーを設置

所沢市には、ヤオコーはすでに5店舗を出店しており、所沢有楽町店は市内6店目の出店となる。最寄り駅の西武新宿線「航空公園駅」を挟み、所沢三原店、所沢北原店があり、東側には、所沢松井店、東所沢店、西側には所沢椿峰店がある。

航空公園駅の西口は、ヤオコーにとっては空白商圏であり、所沢有楽町店を出店することで、より商圏内シェアを高めていきたいという。

■ヤオコー所沢有楽町店
所在地:埼玉県所沢市有楽町7-4
TEL:04-2940-0511
店舗面積:1843.94m2
延床面積:2956.19m2
営業時間:9時~19時30分
休業日:1月1日、1月2日、他1日
年間売上:初年度19億円 (予定)
駐車台数:142台(駐輪場158台)
従業員:正社員18人、パートナー・ヘルパー・アルバイト約130人(延べ人数)

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