JR東日本／高円寺の高架下ゾーン刷新「高円寺マシタ」

2023年03月30日 16:50 ／店舗レポート

ジェイアール東日本都市開発は3月31日、JR高円寺駅の高架下にあった高円寺ストリート2番街をリニューアルし、飲食店の複合施設「高円寺マシタ」（東京都杉並区）をオープンする。

＜高円寺マシタ外観＞

旧高円寺ストリート2番街は2021年に閉館。再開発前は昭和の空気感が漂う店舗が軒を連ねていたが、夜間営業の店舗も多く、昼間はシャッター街としての光景が広がっていた。耐震上の問題などの理由により、今回「高円寺マシタ」としてリニューアル。多様性に富んだ文化が根付く高円寺の良さを大切にしながら、南北の通り抜けによる街の回遊の促進、オープンテラスの設置などを実施して生まれ変わった。

ジェイアール東日本都市開発開発事業本部マーケティング・開発部の大久保高課長代理は「高円寺がこれまで培ってきた環境や文化にマッチする業態にお声がけし、昼から夜まで営業してもらい、各店舗の外側にテラス席を用意してもらった」と説明する。

出店数は7店舗。コンセプトは「高円寺らしさと新生活をつなぐコミュニティプレイス」で、昔からの地元住民や新生活を迎える若者まで、幅広い層の集客を目指す。

＜ケンタッキーフライドチキン＞

旧高円寺ストリート2番街に店舗を構えていたケンタッキーフライドチキンが再出店。店内に座席を設けず、解放感のあるテラス14席のみで食事が可能。高円寺駅からマシタまで歩くと真っ先に目に入るスポットだ。

＜パンとビストロ高円寺FLAT＞

パンや居酒屋などの飲食店を運営するFULL AT TABLEの「FLAT」事業7店舗目となり、テーマは「日常の中の非日常」。店舗で焼き上げるお洒落な総菜パンやカジュアルフレンチの店で、1日中（8時30分～23時30分）楽しめる。客単価はテークアウトのパンが1000～1300円で、カフェも1000～1300円、夜が5000円ほど。1日の来店者数300～400人、売上50万円を目指すという。

FULL AT TABLEの矢吹通康代表取締役は「高円寺に住む人々の多様性に合わせ、朝から夜まで色んな時間に立ち寄れるようにしている。パンを買うだけやコーヒーを飲むだけでも良いし、全方位型の需要に対応できる店舗にした」と述べた。

＜タリーズコーヒーコミュシティ＞

タリーズコーヒーも出店。全国約760店展開しているタリーズコーヒーだが、その中で10店舗ほどしかないアルコールメニューを用意した店舗となる。アートと地域情報の発信基地となるコンセプトの下「コミュシティ」と名付けた地域密着型店舗で、内装には、地元のアーティスト・大黒氏による壁面アートを採用。店内BGMに地元ミュージシャンの楽曲を今後使用する予定があるという。オープンを記念して、ドリンクチケットやコーヒー・菓子を詰め合わせたセットも販売する。

＜ワインの酒場。Di PUNTO 高円寺店＞

「ワインの酒場。Di PUNTO（ディプント）」はこれまで夜間営業がメインの業態だったが、今回オープンする高円寺店は12時から営業。従来のカウンター席やボックス席に加え、開放感のあるテラス席を用意したのは今回が初めて。全51席（テラスは21席）。ディプントのターゲット層は20～30代の若者だが、高円寺で昼からワインが飲める店は少なく、新たな需要を見込む。

ディプントの看板メニュー「生ハムとサラミのてんこ盛り」（税別1280円、野菜トッピング550円、発酵バタートッピング550円）は、大盛りの生ハムとサラミで、アボカドオイルのかかった野菜とクリーミーな発酵バターを巻いて食べるという代物。フルーティなワイン「ランブルスコ」と生ハムを合わせるのがイタリアの定番スタイルだという。リーズナブルに3種楽しめる「Diランブルスコ3種飲み比べ」（1200円）も用意した。

＜390 RESTAURANT＞

「390 RESTAURANT」は、ネオンライトの外観に、懐かしい喫茶点を思わせる空間。カフェやイタリアンをイメージした多彩なメニューを390円均一で提供する。店舗前には高円寺文化であるミュージシャンや芸人用のステージを設けた。JR東日本と390側が調整する中、390のオーナーから「芸人やミュージシャン発掘の場を設けたらどうか」との提案があったという。予約制ステージとしての運用を想定しているが、実際の運営はまだ未定。今後、発表していくという。

＜米のこじま＞