H＆M／銀座並木通りに路面店5年ぶり再オープン、国内初コーヒー販売

2023年05月11日 16:54 ／店舗レポート

エイチ・アンド・エムヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパンは5月11日、東京・銀座に国内122店舗目となる「H＆M 銀座並⽊通り店」（東京都中央区）をオープンした。

＜店舗外観＞

銀座への出店は、2018年7月に閉店した国内1号店以来、約5年ぶり。今回の路面店は、従来とは一線を画す特別な内装やコンセプトを持つストアとして展開。国内で初めて店内にコーヒーショップを併設し、これまでECでのみ販売していたインテリア用品「H＆M HOME」も一部ラインアップする。税込2499円のワンピースなど手の届きやすい商品から、2～3万円を超えるハイブランドとのコラボアイテムなど、幅広い顧客層に向けた商品を取り扱う。

1階から3階まで、内装はフロアごとに異なる色をテーマとして取り入れた特別仕様となる。売り場面積は約1300ｍ2で、通路スペースに余裕があるのが特徴。新宿、池袋店のようなフルコンセプトの旗艦店とは異なり、取り扱いはウィメンズとメンズ、H＆M HOMEのみ。アイテム数を意図的に絞り、買い回りしやすい内装にした。

＜H＆Mジャパンのアネタ社長＞

H＆Mジャパンのアネタ・ポクシンスカ代表取締役社長は、「銀座というエリアはラグジュアリーなイメージが強いが、われわれは全ての顧客にファッションを楽しんでほしいと考え、手の届きやすい価格帯で提供する『ファッションの民主化』を目指すブランドだ。他店では提供できない価格帯で最新のファッションをお届けする」と話す。

今回、銀座に再出店するにあたり、旧1号店での手法などは反映させず、今の銀座を見て「どのようなニーズがあるか」という部分にフォーカスを当てたという。

「東京は多くの顧客にリーチできるのが特徴で、日本人の顧客がいる一方で、海外からの顧客も多いエリア。グローバルな観点で見ても重要な街だ。今回の出店でまず重要視したのが銀座エリアのプロファイルで、最新のファッションを好む傾向があることが分かった。銀座にマッチする商品を考えた上で選定している。

以前、銀座店を閉店してから再出店ができないか常に模索してきたが、コロナ禍が明け客足が戻りつつある今、新たに出店するのが最適なタイミングと考えた。コロナ禍においてはデジタル化に注目が集まる時期があったが、今の時期は実店舗がクローズアップされており、今後は付加価値のあるショッピング体験こそが重要。銀座並木通り店はわれわれの商品を販売するのみならず、特別な体験を提供する店舗だと位置付けている」と述べた。

今後の出店方針については、「日本での事業はまだまだ成長の余地があり、直近でも7～8店舗オープンしているが、今後も実店舗の展開を増やしていく方針に変わりはない。今回お披露目した銀座並⽊通り店は、今後もいくつか控えている、わくわくするようなプロジェクトの1つだ」としている。

＜コーヒーショップを初めて併設＞

同店では、国内で初となるテークアウト用のコーヒーショップを併設。銀座で買い物をする顧客のニーズを考えて用意したもので、同店舗ならではの付加価値施策となる。コーヒーは1杯280円。

小川珈琲の協力を得て仕入れた豆は、全て環境や社会に配慮した国際フェアトレード認証と有機JAS認証を取得している。このほか、フレーバーラテやフレーバーティ、ビーガンクッキーなども用意した。5月14日までイートインスペースも設置している。コーヒーショップの横には、これまでEC限定品だったインテリア用品「H＆M HOME」を陳列した。

＜1階にはコラボアイテムなど＞

オープン初日となる5月11日、1階の店頭には、同日発売となるフランスのファッションブランド・ミュグレーとコラボした「Mugler H＆M」コレクションをラインアップした。同コレクションを祝した特別仕様の内装は14日まで。同フロアでは今後、コンセプトストアのような催しも行う予定。ハイヒールやサングラスなども陳列されており、イベントのない平時にはウィメンズが並ぶ。

＜2階にはウィメンズ、3階はメンズ＞

2階は黄色を基調としたウィメンズフロア。リーズナブルな価格帯のリネンシャツやショートパンツ、アクセサリー類などが並ぶ。同フロアに会計用のレジを設置している。古着回収サービスの回収用ボックスもこのフロアに置いてあり、同ボックスには循環型繊維リサイクルボード「PANECO」を使用。循環型ファッションを表す、同店の特別仕様だ。このほか、店舗スタッフがおすすめするコーディネートも展示する。

3階はブルーをテーマにしたメンズフロア。大人っぽさを意識したコンクリートの什器が引き立つ。運動や普段使いにも最適なトレーニングショートパンツなども扱う。

＜フィッティングルーム＞