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大手百貨店/6月関東は免税売上減、三越伊勢丹2.6%減など

2019年07月01日 17:10 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は7月1日、6月の売上速報を発表した。

<百貨店イメージ>
百貨店イメージ

三越伊勢丹2.6%減、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)0.4%増、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店)1.9%増、高島屋0.7%増、そごう・西武2.7%減だった。

6月は、クリアランスセールがスタートしたものの天候不順の影響などがあった。

免税売上は、関東に主力店舗がある三越伊勢丹が前年マイナス、高島屋8.2%減、そごう・西武5%減(客数5%減)となった。

一方で、関西に主力店舗がある大丸松坂屋百貨店12%増(客数9%増、客単価3%増)、阪急阪神百貨店11%増だった。

阪神百貨店では、高額なジュエリーや海外ブランドのバッグがけん引した一般品(7%増)、化粧品の人気ブランドの新商品の売上がけん引した消耗品(18%増)とともに好調を継続した。

関東地区では、免税売上が前年割れとなった店舗が増えているが、関西地区では免税売上が引き続き前年を超えている。

■三越伊勢丹(2019年3月期売上高:1兆1968億円)
伊勢丹新宿本店店頭2.0%減、三越日本橋本店店頭5.4%減、三越銀座店1.8%減などで、三越伊勢丹合計3.0%減だった。

札幌丸井今井2.4%減、名古屋三越0.2%減、岩田屋三越3.7%減など、国内グループ百貨店は2.1%減となり、国内百貨店合計は2.6%減となった。

6月28日から国内百貨店全店でクリアランスセールがスタートし、堅調に推移した店舗もあったものの、初日の台風やその後の悪天候の影響もあり売上押上げには至らず、三越伊勢丹、国内百貨店計共に前年実績を下回った。

基幹店では特選、宝飾が2ケタ増と好調に推移し、店頭(催事場を除く)は前年を上回った。

免税売上は、三越日本橋本店、岩田屋本店、名古屋栄店、高松三越が前年プラスだったが、三越伊勢丹、国内百貨店計共に前年割れだった。好調なカテゴリーはラグジュアリーブランドの衣料品と雑貨、宝飾・時計など。

■J.フロントリテイリング(2019年2月期売上高:1兆1251億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比0.2%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は0.4%増となった。

6月度の百貨店事業の売上高は、6月28日にスタート(一部店舗を除く)したクリアランスセールの動きが鈍かったものの、化粧品が国内・訪日外国人需要ともに好調を持続したほか、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品が売上を伸ばした。

大丸松坂屋百貨店合計、百貨店事業合計ともに5カ月連続で前年実績を上回った。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は約12%増(客数9%増、客単価3%増)となった。

店舗別では、札幌店が9カ月連続、心斎橋店、東京店が5カ月連続、京都店、神戸店が2カ月連続で対前年プラスとなるなど直営5店と博多大丸が前年実績を上回った。

■H2O(2019年3月期売上高:9368億円)
百貨店事業の全社計の売上高は1.9%増となった。内訳は阪急本店7.2%増、阪神梅田本店19.8%減、支店計2.3%増。

前年の阪神梅田本店第Ⅰ期棟開業景気の反動とG20期間中の関西店舗における客数減といった売上の押し下げ要因がマイナス5%程度あった。

一方で、空梅雨による好天で、月前半から中旬にかけ、ファッションを中心に夏物商戦が活発に動く。それに加え、大阪北部地震による売上減の反動もあり、全店計で1.9%増と5カ月連続で前年をクリアした。

特に、阪急本店は、G20期間中の大幅な客数減があったものの、高額品や婦人ファッションを中心に7%増と高伸した。阪急メンズ大阪も2月の改装効果が持続し、12%増と好調を維持した。

阪神梅田本店においてもG20の影響と前年の反動で約20%減と大幅に前年を下回るも、狙い通りに30~40代の女性客が増加する傾向となった。

支店は12店中8店が前年をクリア。西宮阪急(7%増)は、昨年からの改装が集客に寄与し、好調を継続した。

■高島屋(2019年2月期売上高:9128億円)
高島屋単体13店の売上高は0.7%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は0.7%増となった。

6月度の店頭売上は、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品売上が引き続き伸長したほか、クリアランスセールが、昨年より1日早い28日にスタートしたことなどから、前年実績を上回った。免税売上は8.2%減となった。

店舗別売上は、大型店では大阪店、京都店、日本橋店が前年を超えた。地方郊外店では、泉北店、港南台店、玉川店、岡山店がプラスとなった。立川店・堺店は前年同月比で売場面積を縮小した。

日本橋店も、昨年9月からレストラン街の運営を東神開発に移管したため、百貨店としての売場面積が縮小している。

商品別売上は、紳士服、特選衣料雑貨・宝飾品・子供情報ホビー・食料品(当社分類による17店ベース、以下同じ)などが前年比プラスとなった。一方で、紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・リビングなどは前年割れとなった。

■そごう・西武(2019年2月期売上高:6152億円)
そごう・西武15店の売上高は2.7%減、西武池袋本店は0.6%減となった。

6月売上は、プレステージブランド、美術がけん引した高級雑貨は、前年を上回った。一方、回復傾向にあった衣料品と婦人雑貨、紳士雑貨は、後半から動きが停滞し、伸び悩む結果となった。

免税利用に関しては、前年比で、売上客数ともに約5%減となった。

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