大手百貨店/1月売上高三越伊勢丹18.8%増、J.フロント11.8%増
2025年02月03日 16:21 / 月次
大手百貨店4社が発表した1月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比18.8%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)11.8%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)6.1%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)5.8%増だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 18.8%増 |
J.フロントリテイリング | 11.8%増 |
H2Oリテイリング | 6.1%増 |
高島屋 | 5.8%増 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比25.3%増、三越日本橋本店店頭7.4%増、三越銀座店26.9%増などで、三越伊勢丹計18.8%増だった。
函館丸井今井10.3%減、仙台三越2.0%減、新潟三越伊勢丹4.0%増、静岡伊勢丹3.5%増、名古屋三越2.7%増、広島三越6.8%減、岩田屋三越5.9%増など、国内グループ百貨店計は4.8%増、国内百貨店計は13.7%増となっている。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店は、引き続き高付加価値商品が好調だった。
ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドのハンドバッグ・財布・衣料品、宝飾、化粧品などが堅調に推移した。また、先月から引き続き婦人と紳士ともにコートやセーターも売り上げが伸びている。
さらに、得意客向けイベントの開催もあり、ジャケットや軽衣料などの春物も好調に推移した。
免税売り上げは、前年実績を大きく上回った。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高いという。
今年は、春節が前年より約2週間前倒しとなったことも好調の要因となっている。
■J.フロントリテイリング(2024年2月期総額売上高:1兆1519億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比12.2%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は11.8%増だった。
1月は、初売りを例年より1日遅くスタートし、営業日数が前年より1日少なかったが、コートなどの定価商品が大きく売り上げを伸ばした。ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品も好調に推移した。
店舗別では、15店舗中11店舗が前年実績を上回った。外商売り上げが好調だった心斎橋店のほか、訪日外国人売り上げが好調な札幌店が、約3割増となっている。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、春節期間中に大きく売り上げを伸ばし、87.5%増(客数66.0%増、客単価13.0%増)となり、月度売り上げの過去最高を更新している。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比6.1%増となった。内訳は阪急本店12.3%増、阪神梅田本店9.2%減、支店計1.3%増。
2025年は、阪急・阪神両本店をはじめ15店舗中11店舗で年始の休業日を1日増加した。
中旬にかけて最高気温が10度を下回る日も多く、重衣料を中心に冬物ファッションが引き続き好調に推移し、前年の売上高を上回った。特に阪急本店、博多阪急(前年同営業日数)の売上高は、約1割増と全体をけん引した。
阪神梅田本店は、改装に伴う売り場の閉鎖影響や大型催事の開催月の変更、年始休業日の1日増加などにより前年の売上高を下回った。
免税売上高は、約4割増、阪急本店は約5割増と引き続き好調で、同月の売上高では20カ月連続で過去最高を更新している。
阪急本店は、13カ月連続で、同月の売上高の過去最高を更新した。
3日の初売り初日は、開店前に行列ができ予定より30分早めて開店。インバウンドも含め好調で、3日・4日の累計来店客数は前年2日・3日計に対して約1割増、売上高は約2割増となった。
モード・インターナショナルファッション、バッグなど婦人ファッション全般が好調で、売上高の前年対比は2けたの伸びを示した。
冬のクリアランスが3日から開始。セールよりも定価商材の売上高が大きく伸長しており、インバウンドの売り上げも押し上げたという。
中でも、ブライダルニーズが引き続き好調なアクセサリーの売上高は前年に対し約2割増と大きく伸びた。
また、宝飾品の売上高も前年に対して約4割増と好調。100万円以上の高額品の売上高は、前年の約4割増と引き続き高い水準で推移している。
■高島屋(2024年2月期営業収益:4661億円)
高島屋各店計は8.1%増、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は5.8%増だった。
店頭売上高5.8%増、免税売上高45.7%増、免税を除いた店頭売上高1.0%増となっている。
国内顧客では、紳士・婦人コートなどの正価品が堅調に推移。また「春節」期間中の客数増加もあり、インバウンドが伸び、全体を押し上げたという。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、EC店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、紳士服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、美術、サービスが前年実績を上回っている。
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