東急プラザ表参道原宿／シェアリテールに挑戦「サブスク」活用のリーシング開始

2023年07月31日 16:40 ／店舗

東急不動産は7月26日、商業施設の新たなテナントリーシング形態として、サブスクリプションを活用した出店形態を提供すると発表した。今回、都内で90棟以上のクリエイティブオフィスを企画・運営するリアルゲイトと協業し、東京・表参道の商業施設「東急プラザ表参道原宿」の5階フロアをフルリニューアルし、フロア名称を「LOCUL（ローカル）」として8月1日にオープンする。7月31日、同フロアの関係者向け内覧会を開催した。

＜新フロア「ローカル」＞

従来の商業施設は、初期投資や契約期間など出店へのハードルが高いことから、常に変化するトレンドや消費者ニーズへの対応に課題があった。その課題に対して、LOCULでは施設側で内装や什器を用意することで初期投資を限りなく抑えることを可能とした。また、期間や場所、什器を自由にセレクトし、ミニマム1日1m2から出店できるサブスクリプションサービスを提供する。

サブスクメンバーは月額会費制で、自身の出店したいタイミングで什器費用を都度支払うことで、賃料負担なく出店が可能になる。このようなフレキシブルな出店スタイルの仕組みを構築し、様々な業種業態の企業や個人がチャレンジできる場所を提供することで、多種多様な個性や文化が成長・発展する施設を目指す。

＜従来の商業施設とLOCULの比較例＞

東急不動産都市事業ユニット都市事業本部商業事業部営業運営グループの松村高暢主任は、「当社は、渋谷を中心に面的なエリア価値の向上に取り組む中で、原宿エリアについては、文化・カルチャーの創造、発信の拠点となることを目指しています。今回は、その端緒となるプロジェクトです。文化の発信・創造には、資本の大小は問わないのですが、いままでの施設では、ハードルが高かった。単純な物の売り買いの場から脱却するため、ローカルを展開します。コロナ禍で、上層階の集客力の課題もあった中で、これまでとは違う商業施設の存在意義を生み出したい」と新たなリーシング方法の狙いを解説した。

リアルゲイト事業本部企画営業部の伊藤健副部長は、「当社のメインの事業は、シェアオフィスとなっている。東急不動産さんから、新たな商業施設の運営について、相談された時に、リテール分野におけるシェアリングとして、シェア型リテールコミュニティモデルを考えた。当社としても初めての試みとなるが、テナント出店者同士、お客様といった人と人が繋がることで、新たな価値を生み出せるような施設運営を目指したい」と語る。

＜SUBSCRIPTION RETAILエリア＞

フロア名称である「LOCUL」には、今回のリニューアルコンセプトである「Lo-Fi Culture Collective」の略と、街に開かれたコミュニティーを示す「LOCAL」の二つの意味が込められている。LOCULは、ショップ、カフェ、イベントスペースやワークプレイスの機能がシームレスに繋がり、従来の商業施設を「売り買いの場」から「体験・共感・共創を生むコミュニケーションの場」にアップデートし、各出店者と利用者がこの場で共存し、共感し、相乗効果を生み、それぞれが育っていく”新しい商店街”のような施設を目指す。

＜イベント開催イメージ＞

また、LOCULでは、フロア内にイベント・ポップアップスペースを設けるとともに、6階「おもはらの森」でのイベントやエントランス広告と連動することで、プロモーションとしての表現の幅を拡げる。

＜シネマスペース＞

LOCULは、COMMUNITY LOUNGE／CAFE＆DINER、SUBSCRIPTION RETAIL、SUBSCRIPTION RETAIL／EVENT／POPｰUP、OFFICE／SHOP OFFICEで構成する。基本は、サブスクリプションを活用した出店形態となるが、POP-UPスペースを用意しているため、個人のアーティストなどが1回限りの出店をする場合にも対応する。オープン時は、イベントスペースにシネマコーナーを設置。9月から月2回のペースで映画を上映する。

＜フロアマップ＞