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東急不動産/2024年春「東急プラザ原宿『ハラカド』」開業、銭湯誘致

2023年05月30日 14:20 / 店舗

東急不動産は5月30日、自社と東京地下鉄が共同出資する神六再開発と共に推進している「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」で、2024年春に開業予定の商業施設名称を「東急プラザ原宿『ハラカド』」に決定したと発表した。

<建設中の東急プラザ原宿『ハラカド』>
建設中の東急プラザ原宿『ハラカド』

同時に、2024年度以降に、同じく神宮前交差点にて営業中の「東急プラザ表参道原宿」を「東急プラザ表参道『オモカド』」に改称し、交差点を挟む2館で連携することで、神宮前交差点のさらなる魅力向上を図る。

<既存施設の東急プラザ表参道原宿>
既存施設の東急プラザ表参道原宿

テナントとして地下1階に小杉湯による銭湯「小杉湯原宿(仮称)」が入居するほか、クリエイターがそれぞれの個性を生かしたフロアを展開する。また、入居テナントにより構成・運営するクリエイティブコミュニティ「ハラカド町内会」を設立することで、新しい文化を創造・発信する商業施設を目指す。

<フロア構成>
フロア構成

地下1階には、昭和8年から90年続く高円寺の老舗銭湯・小杉湯が、銭湯「小杉湯原宿(仮称)」を開業する。東京の銭湯はピーク時から80%以上減少し、街から消えている。今回、「その街で『働き』『遊び』『暮らす』人が毎日のように訪れ、街と人との日常が生まれる『銭湯』の役割を原宿の街に取り戻したい」という想いから、プロジェクトを開始した。銭湯と街と企業とのさまざまな共創を生み出している小杉湯が、神宮前交差点に「街の銭湯」をつくる。

現在、その他公衆浴場認可を申請中となっている。神宮前交差点という都市の一等地への出店にもかかわらず、気軽に利用できる料金体系を検討している。

小杉湯は、イベントを実施し、ギャラリーも展開することで、情報発信ができる銭湯として知られている。原宿でも、新商品のサンプリングイベントや、映画やミュージカルなどとのタイアップイベントを実施する予定だ。多くの人々が集まる「銭湯」をメディアとして活用することで、入浴料金以外の収益をあげ、継続的に地域の人々が気軽に銭湯を利用できる仕組みを確立したいという。

<建設中の小杉湯>
建設中の小杉湯

2階の神宮前交差点を見下ろす共有スペースでは、さまざまな文化を発信してきた雑誌を新旧交えて集めたフリースペース「COVER」を日販がプロデュースする。期間ごとに、特定のテーマについてフィーチャーした雑誌を展示する。新たな雑誌の魅力を発見でき、何度でも訪れたくなる「たまり場」を目指す。

3階は、アートディレクターの千原氏が中心となり、クリエイター自身が「新しい」をテーマにした商品を、来館者に直接届けるクリエイターズマーケットフロアを展開。クリエイティブ・ディレクター大木氏がプロデュースするカフェでは、さまざまなクリエイターのアウトプットと交流を生み出す。

5~6階は、エクスペリエンスDが運営を担う飲食フロア/フードコートを配置。合計で約20店舗を集積し、「sio」オーナーシェフの鳥羽氏がプロデュースする新時代のファミリーレストラン「FAMiRES」も出店する。店舗名であるファミリーを「=仲間」と捉え、施設内外での店舗を横断した企画を生み出し、クリエイターたちが集い交流する場を創出する。

執行役員の黒川泰宏都市事業ユニット渋谷開発本部本部長は、「商業施設のあり方も時代とともに変化している。ハラカドでは、新たな文化発信拠点をコンセプトに掲げている。そのため、我々ディベロッパーだけでなく、入居する方と一緒に、こういう施設を目指したいと思う。そのために、新しい商業施設の運営の在り方に挑戦する」と述べた。

<黒川本部長>
黒川本部長

新しい商業施設の運営として、実際に入居するクリエイターを中心にハラカド町内会という施設運営コミュニティを立ち上げ、ハラカド町内会が施設運営の企画を担う。具体的には、町内会メンバーが施設全体のイベントやコンテンツを企画し発信することで共感する新たな仲間を集め、その仲間たちと施設のにぎわい作りや、さらなるカルチャーの共創を目指す。

これまでは、ディベロッパーが中心となり、集客策や販売促進策を企画・実施していたが、ハラカドでは、出店者が中心となりイベントを立案・実施する。そのため、東急不動産が、イベントを実施するために必要な資金を提供し、施設運営コミュニティの運営をバックアップする取り組みを行う予定だ。

すでに、町内会のメンバーには、各分野を代表するトップクリエイターが名を連ねている。アートディレクターで映画監督の千原徹也氏(れもんらいふ代表)、一つ星レストラン「sio」オーナーシェフの鳥羽周作氏(sio/シズる代表取締役)、高円寺の老舗銭湯・小杉湯の平松佑介氏のほか、クリエイティブ・ディレクター大木秀晃氏が立ち上げたOOAA、クリエイティブエージェンシーの博報堂ケトル、出版物の取り次ぎを行う日本出版販売の子会社である「ひらく」、ブランディング、体験デザイン構築などの事業を手掛けるエクスペリエンスDなど、「ハラカド」から新しい文化を発信しようと集う個人や多様な企業が町内会メンバーとして続々と参画する予定だ。

さらに現在、ハラカドを共に作るクリエイターを募集している。集まった仲間たちと文化カルチャーを作る共創が生まれるまでの過程をプロセスエコノミーとして可視化し、ファンコミュニティの形成と拡大を目指すという。

<クリエイターを募集中>
クリエイターを募集中

■東急プラザ原宿「ハラカド」
所在地:東京都渋谷区神宮前六丁目1000番
敷地面積:約3085m2
延床面積:約1万9940m2
構造:鉄骨造/鉄筋コンクリート造
階数:地上9階地下3階塔屋1階
用途:店舗、公共公益施設、鉄道用変電施設、駐車場等
施行者:神六再開発
開業予定 2024年春(予定)
設計・監理:日建設計
商環境デザイン:乃村工藝社
施工者:清水建設、東急Re・デザイン

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