三越伊勢丹HD/富裕層の取り込み強化で22年度個人外商売上860億円目指す
2022年06月29日 15:50 / 経営
三越伊勢丹ホールディングスは6月29日、「外商」事業説明会を開催した。
同社は近年富裕層を中心に外商事業を強化しており、今年4月には、優良顧客の個人・法人を束ねる「外商統括部」を設置した。個人と法人部門を集約化することで、百貨店、グループ企業の全てのコンテンツ・サービスを個人・法人全ての外商顧客に提供する体制を構築し、高感度上質消費の拡大を図っている。
従来の店舗ごとに、店舗にある商品を紹介し販売するスタイルから、旗艦店2店舗を中心に、店舗にないグループ内外の商品供給、旅行・イベントなどコト消費を加え、2022年度の個人外商売り上げ860億円を目指す。
個人外商売り上げは2019年度は716億円、2020年度は790億円だった。
<高感度で上質な商品を富裕層に提案>
※イセタンメンズ2022年AW商品(6月28日撮影)
バイヤーを外商統括部と連携させることで、チーム制で顧客の要望に応じたきめ細かな商品提供を実現。グループ内外のアライアンスを充実させ、自動車、不動産の紹介手数料など物品の販売に止まらないライフスタイル提案による売り上げ増を図っている。
伊勢丹新宿店の買い上げ上位5%の顧客による売り上げシェアは2021年度50.9%、日本橋三越本店48.3%となっている。
同社のカスタマープログラムは、従来購入金額によって付与するポイントのパーセンテージが変わる特典だけだったが、2019年度から特別なセール・イベントへの招待など優待項目を増やした。特に、年300万円以上購入する顧客をプラチナステージと位置づけ、店舗全館のフロア、カテゴリーを越えて商品・サービスを提案するストアアテンダントとともに買い物できる特典を付け、好評を得ている。
日本での買い物支援に止まらず、外商顧客に向け、特別な海外ツアーも企画。ラグジュアリーブランドのパーティーへの参加、オートクチュールドレスの注文、ワイナリーへのツアーなど特別な体験を提供。ツアーへの同行・対応を通し、バイヤーが顧客の「個」に応じたインサイトに気づくようになり、よりきめ細かな商品提案につながっているという。
また、ラグジュアリーブランドなど商品供給の魅力、伊勢丹新宿店のスタッフの迅速な対応が口コミで広がり、若年層が店頭などで外商を申し込む例が増えている。
49歳以下の外商顧客比率は、コロナ禍前から拡大しており、伊勢丹新宿店は2020年度23.6%が2021年度28.8%へ、日本橋三越本店が2020年度7.4%から2021年度9.3%に増加。従来の外商顧客層50~60代が定番品、オーセンティックな商品を好むのに対し、伊勢丹新宿店に代表されるようなとがったファッションアイテムを購入したい若手経営者などが外商顧客に加わっている。
さらに、今後は外国人観光客の日本入国が増加することを見込み、インバウンド富裕層の取り込みも図る。現在でも、在日外国人顧客のケア、海外支店との協力で、体制を整えている。
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