スーパー/3割が赤字、特売・安売り負担
2023年10月18日 10:10 / 経営
帝国データバンクが10月17日発表した「食品スーパー業界」動向調査によると、2022年度の損益状況が判明した約1100社(GMS含む)のうち、31.3%にあたる349社が「赤字」だった。
前年度から「減益」(37.5%)となったケースを合わせた「業績悪化」の割合は食品スーパー全体の約7割に達し、コロナ禍前後の水準を上回って過去最高を更新したという。
また、帝国データバンクが7月に「価格転嫁の動向」について調査した結果、食品スーパーの4割超が食品などの仕入れ値上昇に対して「50%以上」の価格転嫁ができていると回答した。
価格転嫁率の平均も47.0%と全業種平均(43.6%)に比べて相対的に高いほか、2022年度の売上高では4社に1社が前年度から増収を確保していた。
一方で、電気・ガス代など水道光熱費、人手不足や最低賃金の上昇によるパート・アルバイトの人件費など「インフラ」コストの増加分は、顧客の理解を得られにくいことから価格転嫁していない食品スーパーも多い。
さらに、大手などの割安なPB商品の集客力に対抗するため、「特売」など値下げ戦略を取らざるをえなかった地場食品スーパーもあった。
そのため、値上げによる増収効果を十分に享受できず、利益面で大きく悪化したケースが目立ったと分析している。
「赤字」となった食品スーパーの割合を都道府県別(本社所在地)にみると、最も赤字割合が高いのは「鳥取県」で唯一70%を超えた。
人口減少で来店が見込める商圏が縮小し、地場スーパーの撤退や閉店といった事態も発生するなか、当地のスーパーのほとんどが赤字経営と厳しい状態だった。
「徳島県」(60.0%)、「滋賀県」「岐阜県」(各50.0%)も苦戦した。
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