イオン 決算/3~5月最終赤字65億7000万円、営業収益は過去最高を更新
2025年07月31日 17:48 / 決算
イオンが7月31日に発表した2026年2月期第1四半期決算によると、営業収益2兆5668億9700万円(前年同期比4.8%増)、営業利益562億8200万円(17.8%増)、経常利益480億5600万円(5.9%増)、親会社に帰属する当期損失65億7000万円(前期は33億4800万円の利益)となった。
営業収益は5期連続、営業利益は2期ぶりで、第1四半期連結累計期間における過去最高を更新した。
営業収益は、すべてのセグメントで増収を計上している。
また、営業利益は、DX推進により店舗業務を効率化し、人時生産性の向上で営業損失額が前年同期比で大幅に縮小したGMS(総合スーパー)事業、都市型小型食品スーパー「まいばすけっと」が好調なSM(スーパーマーケット)事業、ヘルス&ウエルネス事業、増床リニューアルをはじめとする活性化や集客施策により来店客数を伸ばしたディベロッパー事業がけん引した。
一方、イオンフィナンシャルのベトナム子会社における不適切な会計処理トラブルや、ヘルス&ウエルネス事業の事業再編に伴う税効果会計といった一過性の影響により、親会社株主に帰属する四半期純損失は65億7000万円(前年同期より99億1900万円の減益)だった。
吉田昭夫社長は同日開催された決算説明会で「今後、生活者の節約志向・価格感度は一層高まると見ている。25年は、24年下期から継続している価格訴求施策が業績に貢献している。食品・トップバリュの売り上げ増とDXなどによる人時生産性のアップで、販管費コントロールと営業総利益の確保がうまくいった」と第1四半期を総括した。
セグメント別にみると、GMS事業は、営業収益8882億4700万円(4.0%増)、営業損失17億8700万円(前年同期より16億6000万円の改善)。
衣料、住居余暇などが低調だったが、食品は好調に推移。営業損失を計上したものの、赤字の幅は縮小している。
SM事業は、営業収益7604億6600万円(4.1%増)、営業利益69億8500万円(前年同期より34億5600万円の増益)。
グループ各社でトップバリュの拡販、主要商品の価格訴求が増収増益につながった。また、まいばすけっと事業が売上高前年同期比15.7%増、営業利益は9億円増と好調だった。
ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益3359億7700万円(5.7%増)、営業利益84億4800万円(31億500万円の増益)。
物販、調剤ともに好調に推移した。PB売り上げは前年同期比20%増の成長を見せている。
総合金融事業は、営業収益1393億7600万円(9.6%増)、営業利益134億700万円(前年同期より15億800万円の減益)。
顧客基盤の拡大やカード収益の堅調な推移により、増収を確保している。
ディベロッパー事業は、営業収益1283億3700万円(5.3%増)、営業利益171億7900万円(前年同期より14億5000万円の増益)。
国内外ともに既存モールの収益力強化が進んだことにより増収増益となった。営業収益、各段階利益とも過去最高益を更新した。
イオンモールは7月1日付でイオンの完全子会社となった。吉田社長は「既存アセットの方向性、再生に向けて検討に入っている。イオンモールの収益力がコロナ前の水準を超え、収益基盤が安定してきたことは、第2の創業期と位置付けるイオンモールにとっても、グループにとっても大変意義のあることだ」と述べた。
サービス・専門店事業は、営業収1866億8300万円(2.8%増)、営業利益69億6200万円(前年同期より8億4900万円の増益)。
イオンディライトは、大阪・関西万博等の受託拡大と収益性改善策が奏功。イオンファンタジーも主力のプライズ部門や収益性の高いカード部門が好調だった。
国際事業は、営業収益1516億4800万円(6.6%増)、営業利益42億3700万円(前年同期より2億8300万円の増益)。
マレーシア、ベトナムが増収増益。中国では、消費マインドが低調に推移する中、北京・湖北・香港で増益・損益改善しているという。
通期は、営業収益10兆5000億円(3.6%増)、営業利益2700億円(13.6%増)、経常利益2500億円(11.5%増)、親会社に帰属する当期利益400億円(47.2%増)を見込んでいる。
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