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ケロッグ大谷執行役員インタビュー/栄養バランスの良い「シリアル」を幅広い年代に届ける

2016年12月05日 14:15 / トピックス

共働き世帯が増え、忙しい朝に手軽に食べられる、第3の朝食とも呼ばれるグラノラなど「シリアル」に注目が集まっている。1962年日本ケロッグ設立以来、日本の食卓で子どもから大人まで親しまれている同社のシリアル事業について、大谷弘子・執行役員マーケティング本部長に聞いた。

<大谷弘子・執行役員マーケティング本部長>
大谷弘子・執行役員マーケティング本部長

――シリアル事業の売り上げが伸張しています。
昨今注目を集めているグラノラが成長をけん引しています。特に「フルーツグラノラ ハーフ」が、脂質を従来品の50%以下に抑えているのに、味がおいしいと好評。グラノラ以外では、「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」も伸びています。グラノラに注目が集まりがちですが、実は当社のロングセラー「玄米フレーク」も好調に売り上げが推移しており、前年比20%(2016年1~9月)となっています。

――手軽なシリアルが朝食に人気。
共働き世帯も増え、忙しい朝、朝食のレパートリーにシリアルを取り入れる家庭が増えています。また、毎日シリアルを食べるというより、朝食のバラエティーの一つとして、食べられているようです。牛乳、ヨーグルトをかけたり、オリジナルレシピを工夫したりと、消費者の楽しみ方は多様化しています。

――消費者のシリアルへのニーズが細分化。
ブームになって定番化してきたグラノラは、コモデティ化が進み、グラノラ以外の製品にも消費者の関心が戻っています。腸活など食物繊維のブームもあり、健康に関心が高い人は、食物繊維の摂取に熱心。また、様々な製品を比べ、自分に足りないものを補い、自分の目的に合う製品を消費者は探しています。甘すぎるなどの理由から、グラノラに飽き、食物繊維の多い「オールブラン」、栄養価の高い玄米を主原料にした「玄米フレーク」など栄養面の違い、フルーツの有無、甘味が少なめの商品、噛みごたえのあるフレークタイプといった食感の違いなど、ニーズが細分化しています。そのニーズに応えるためにも、製品の違いをより分かりやすく伝える必要があります。パッケージに、各商品の健康機能や特性を表示するだけでなく、流通とも協力し、消費者をナビゲートする売り場作りも重要です。

――製品だけでなく、売り方も提案している。
細分化された消費者ニーズに応えるためには、各商品の特長、どのような健康への効果があるか、フルーツの有無、味など、各商品へのナビゲートが必要です。消費者に自分の探している商品を見つけてもらうには、わかりやすい棚づくり、店頭のポップでの見せ方などの工夫が欠かせません。シリアルは6~7割、朝食として食べられているので、朝食カテゴリーとして、売り場にセグメントを作ることも重要。スーパーなど流通側と連携し、パンや牛乳、ヨーグルトなど朝食カテゴリーの製品を集めたコーナー作りを提案しています。朝食というカテゴリーを明確にした売り場で、買い物に来た消費者にわかりやすい売り場となり、購買意欲も刺激できます。新装開店や新規出店のタイミングで、新たな売り場づくりをすることが多いですが、こういったカテゴリーを明確にした売り場は好評。当社から、今まで手掛けた朝食コーナーでの実績などのデータも取引先に提供し、よりより売り場づくりをメーカーの立場からも提案しています。メーカーの役割は製品の提供だけでなく、健康づくりの提案、消費者が喜ぶ売り方も一緒に流通側と考えることも含まれると思っています。

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