U.S.M.H 決算／2月期営業利益13.4％減に、販管費16.2％増が影響

2025年04月10日 18:34 ／決算

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス（U.S.M.H）が4月10日に発表した2025年2月期決算によると、営業収益8112億7300万円（前年同期比14.8％増）、営業利益59億7800万円（13.4％減）、経常利益61億4200万円（11.4％減）、親会社に帰属する当期利益8億1000万円（19.6％減）となった。

＜U.S.M.H藤田元宏社長＞

マルエツの既存店客数の伸長やカスミの客数の復調、2024年11月末に経営統合したいなげやの2024年10月～2025年2月の数値を加えたことなどで、営業収益は2桁の増収となった。売上総利益高も15.9％増だった。

売上総利益率は、物価の上昇や競争環境の激化への対応として加工食品を中心に価格を据え置き訴求したことなどから、想定した水準を下回った。

さらに販管費は労務費や水道光熱費・物流費の上昇、デリカセンターへの投資などの影響により16.2％増だった。この結果、営業利益は2桁減益となった。

U.S.M.Hの藤田元宏社長は「販管費が、人件費や電気料などの伸長を受けて336億円増加したことにより、営業利益以下は減益の結果となった。人件費については投入時間、電気利用に関しては使用料と、省力化や省エネの施策を強化しそれぞれ総量では前年を下回る水準だったが、単価の上昇を吸収するには至らず、当期以降もこの傾向は継続すると予見されることから、収益力を持ってこれに対処することが課題であると認識している」と語った。

マルエツの営業収益は4012億6500万円（2.9％増）、カスミの営業収益は2750億2900万円（1.9％増）、マックスバリュ関東の営業収益は447億6500万円（0.9％減）、いなげやの営業収益は894億9700万円（2024年10月～2025年2月）だった。

マルエツは来店客数と客単価が前期を上回り、営業収益は増収。売上総利益も改善し最終利益も増益となった。

同社は、「マルエツプチ稲荷町駅前店」を含む4店舗を新規出店したほか、既存店29店舗の活性化を実施。

商品面では「マルエツ草加デリカセンター」で開発・製造したオリジナルブランド「まいごころ」（おにぎりや巻き寿司などの米飯商品）と、「うまごころ」（惣菜商品）といった商品開発を推進。

電子棚札やセルフレジの導入を推進し、生産性向上に取り組んだ。顧客の利便性向上を目的に、来店宅配サービス「らくらくクマさん宅配便」を221店舗に拡大。「移動スーパー」も新たに3車両追加し、5車両52カ所体制とした。

カスミは、客数が回復し客単価も前期を上回ったことで営業収益は増収したものの、外形標準課税の税率変更や税効果会計の変更などの影響により、純利益は前期に対し30億円の減益となった。

同社は顧客の来店頻度の向上を目的に、消費頻度の高い商品の店頭価格の引き下げを継続するとともに、価格高騰が続いた青果物の販売を強化。

生産性向上のため、売場の規模の見直しを行いながら、計画的に人時を投入し人時売上高の向上に取り組んだ。

移動スーパーの運用を75車両も、無人販売を245拠点にそれぞれ拡大、顧客の利便性向上を図った。

マックスバリュ関東は、前期末の1店舗閉鎖の影響により、営業収益が0.9％減となった。売上総利益率も0.7％悪化したことで営業利益は前期を下回り、最終利益は2億円の減益だった。

同社は青果・鮮魚部門における「産地直送商品」の拡大、こだわり商品である「MeetsValu（ミーツバリュ）」の展開拡大、新鮮な素材を店内で加工し、惣菜として提供する「生鮮惣菜」などを強化し、顧客のライフスタイルに合わせた商品・サービスの強化を行った。

また、千葉市と協業し、マックスバリュ関東3車両目となる「移動スーパー」を千葉市若葉区にて運行を始めた。