H2O 決算/3月期営業利益33.0%増、中計目標を2年前倒しで達成
2025年05月13日 16:05 / 決算
エイチ・ツー・オー リテイリングが5月13日に発表した2025年3月期決算によると、売上高6817億5900万円(前年同期比3.7%増)、営業利益348億3000万円(33.0%増)、経常利益359億900万円(28.8%増)、親会社に帰属する当期利益348億4200万円(59.1%増)となった。
収益認識に関する会計基準等による影響を除外した、従前の基準での売上高に相当する総額売上高は1兆1596億3200万円(8.0%)。前期に引き続き過去最高を更新している。
総額売上高の伸びが寄与した結果、「中期経営計画2024-2026」の営業利益目標320億円を2年前倒しで達成した。
百貨店事業の総額売上高は6349億5900万円(10.0%増)、営業利益は282億3400万円(43.8%増)。国内売上高は堅調に推移し、インバウンド売上高も前期の約1.6倍に伸長したことで大幅に増収し、いずれも過去最高となっている。
店舗別では、阪急本店、博多阪急などの都心型店舗が好調で、両店とも過去最高売上を記録。カテゴリー別では、ラグジュアリーブランドファッションや宝飾品・時計などの高額商材のニーズが引き続き強く売上をけん引する中、衣料品や化粧品なども好調で、全カテゴリーで前期実績を上回った。
食品事業の総額売上高は4285億4300万円(0.7%増)、営業利益は89億4500万円(26.2%増)。人件費・水光熱費などは増加したが、生産性の向上により増収増益となっている。
関西フードマーケット完全子会社化に伴い、営業本部・本社機能を統合。製造事業も再編し、事業の体制を整備した。
食品スーパーでは、物価高騰による生活防衛意識の高まりで買上点数が前期を下回ったが、屋号を越えた共同販促の実施などにより客数は堅調に推移。既存店売上高はイズミヤ・阪急オアシスで1.0%増、関西スーパーマーケットで2.2%増となった。製造事業では原材料が高騰する中、生産性の向上により業績は堅調に推移。一方、宅配事業は稼働率が上がらず苦戦している。
商業施設事業の総額売上高は317億6600万円(0.9%減)、設備の保守管理・警備等の事業を行う子会社を譲渡した影響で減収となったが、営業利益は39億2000万円(21.5%増)だった。
ホテルを運営する大井開発では、首都圏での活発な宿泊需要を受け、売上高・営業利益ともに過去最高を記録。エイチ・ツー・オー商業開発は、改装投資でカナートモール住道およびイズミヤショッピングセンター学園前をリニューアルしている。
次期は、不安定な世界経済情勢の影響によるインバウンド売上の減速と、阪急本店のグローバルデパートメントストア化に向けた改装工事に伴う売場閉鎖の影響、政策保有株式売却や子会社株式の段階取得に係る差益の特別利益の反動等により減益を予想した。
2026年3月期は、売上高6900億円(1.2%増)、営業利益300億円(13.9%減)、経常利益310億円(13.7%減)、親会社に帰属する当期利益180億円(48.3%減)を見込んでいる。
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