大手百貨店／5月売上高三越伊勢丹2.3％減・H2O9.9％減、免税の高額品が不調
2025年06月04日 14:53 ／ 月次
百貨店4社が発表した5月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比2.3％減、J.フロントリテイリング（百貨店事業合計）3.5％減、エイチ・ツー・オーリテイリング（阪急阪神百貨店全店計）9.9％減、高島屋各店計（国内百貨店子会社含む）7.6％減だった。
| 社名 | 売上高前年同月比 |
| 三越伊勢丹 | 2.3％減 |
| J.フロントリテイリング | 3.5％減 |
| H2Oリテイリング | 9.9％減 |
| 高島屋 | 7.6％減 |
4社ともに、好調だった前年の反動と、継続する円高でラグジュアリーブランドなどの高額品が低調で免税売上高が減少。全体の売上高を押し下げた。
■三越伊勢丹HD（2025年3月期売上高：5555億円）
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比3.9％減、三越日本橋本店店頭2.6％増、三越銀座店3.5％減などで、三越伊勢丹計2.3％減だった。
函館丸井今井11.0％減、仙台三越6.5％減、新潟三越伊勢丹3.9％増、静岡伊勢丹7.5％減、名古屋三越5.8％減、広島三越12.2％減、岩田屋三越7.0％減など、国内グループ百貨店計は5.5％減、国内百貨店計は3.4％減となっている。
昨年の実績が大きかった免税売上高は、前年を下回った。
国内顧客は、「エムアイカード ベーシック」の導入効果も含め、識別化が順調に進み、売上高は堅調に推移している。
海外顧客は、引き続き化粧品や食品への関心が高く、新たにローンチした海外顧客向けアプリの会員数が増加しているという。
■J.フロントリテイリング（2025年2月期売上高：4418億円）
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比2.1％減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は3.5％減だった。
5月は、化粧品、アクセサリー、食品が売り上げを伸ばし、外商売り上げも堅調に推移したものの、ラグジュアリーブランド、時計、宝飾品が前年実績を下回った。
店舗別では、15店舗中4店舗が前年実績を上回った。免税売り上げが好調な梅田店は、対前年2ケタ増となっている。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高（速報値）は、化粧品を中心とした消耗品が好調を持続したが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売り上げが前年を下回るなど客単価の低下により、40.1％減、客数2.9％増、客単価41.7％減となっている。
■エイチ・ツー・オー リテイリング（H2O）（2025年3月期売上高：6817億円）
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比9.9％減となった。内訳は阪急本店14.9％減、阪神梅田本店2.8％増、支店計4.5％減。
5月は免税売上高が、単月においてピークを迎えた前年の反動と、継続する円高傾向により、前年に対して約4割減と3・4月に続き苦戦している。
5月21日に、阪神梅田本店の2階から8階がリニューアルオープン。大型専門店の導入もきっかけに若年層の来店が増加。催し会場の再開もあり、リニューアル以降、前年の売上高に対し約2割増と好調に推移し、月間の実績も上回った。
5月16日、川西阪急を「川西阪急スクエア」に刷新。百貨店と専門店のベストミックスによる郊外型百貨店の新しいモデルを目指している。従来の客層に加え、週末には子育てファミリーの来店も多く、リニューアル以降、前年の売上高に対して約2割増と好調なスタートを切っている。
阪急本店は、インターナショナルファッション、バッグといった免税高額品が不調だった。
一方、ブライダルニーズが高いアクセサリーが好調で、国内顧客の売上高は前年を上回り、5月の過去最高を更新している。
また、リニューアルした4階の婦人衣料は、客層の幅が拡大し前年売上高を上回った。
■高島屋（2025年2月期営業収益：5750億円）
高島屋各店計は6.4％減、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は7.6％減だった。
インバウンド顧客は、スポーツ用品・子ども服は前年を上回ったが、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が低調で、免税売上高41.7％減となっている。
国内顧客は、食料品の新規催事が堅調に推移したこともあり、前年実績を上回った。免税を除いた店頭売上高は0.3％増となっている。
店舗別売上高は、日本橋店、玉川店、柏店、EC店が前年実績を超えた。
商品別売上高（同社分類）は、子ども情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂、サービスが前年実績を上回っている。
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