大手百貨店/4月売上高H2O6.4%減・高島屋6.6%減、免税売上が苦戦
2025年05月07日 15:36 / 月次
百貨店4社が発表した4月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比0.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)1.9%減、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)6.4%減、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)6.6%減だった。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 0.2%増 |
J.フロントリテイリング | 1.9%減 |
H2Oリテイリング | 6.4%減 |
高島屋 | 6.6%減 |
■三越伊勢丹HD(2024年3月期売上高:5364億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比1.2%減、三越日本橋本店店頭2.3%増、三越銀座店3.4%増などで、三越伊勢丹計0.2%増だった。
函館丸井今井20.8%減、仙台三越4.8%減、新潟三越伊勢丹0.4%増、静岡伊勢丹1.2%減、名古屋三越6.0%減、広島三越13.4%減、岩田屋三越5.0%減など、国内グループ百貨店計は4.9%減、国内百貨店計は1.5%減となっている。
月初は天候が不安定だった影響もあったが、中旬以降は気温の上昇に伴い復調した。
識別化が順調に進んでいる国内顧客の売上が堅調に推移し、全体を押し上げたという。
首都圏店舗を中心に、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケットやブラウス、スカート、パンツなどの衣料品、宝飾品、化粧品、装身具などが好調。独自性の高い催事・イベントが国内外からの集客に寄与した。
免税売上は化粧品、装身具に関心の幅が広がり、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品も堅調に推移している。
■J.フロントリテイリング(2025年2月期売上高:4418億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比0.7%減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は1.9%減だった。
4月は、化粧品、時計、食品などが売上を伸ばし、外商売上の好調もあり国内売上は対前年プラスとなった。しかし、前年高額品を中心に免税売上が大幅に増加したことによる反動減で、全体的に売り上げが低調だった。
店舗別では、梅田店が対前年2けた増となったほか、神戸店、名古屋店、静岡店、高知大丸が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が好調であったものの、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売上が前年を下回るなど客単価の低下により、21.1%減、客数13.6%増、客単価30.6%減となっている。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2024年3月期売上高:6574億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比6.4%減となった。内訳は阪急本店7.7%減、阪神梅田本店4.6%減、支店計4.7%減。
4月は前年高伸した反動とさらなる円高傾向により、免税売上高が前年比約3割減と苦戦した。
阪急本店、阪神梅田本店、川西阪急の大型改装も継続中につき、売場面積減少の影響も重なった。
国内客の売上は前年並みと健闘。中旬まで気温が上下していたが、春物ファッションに動きが見られた。また、化粧品、食品の売上が各店堅調に推移した。
阪急本店は、免税売上の苦戦や改装に伴う売場面積減少が重なり、婦人ファッションの売り上げは前年を下回った。季節の変わり目も後押しし、化粧品の売上は前年を上回った。
ブライダルニーズが継続。100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1割増と売上を下支えした。
4月26日にリニューアルオープンした3階の性別やカテゴリーを超えた「ビヨンドワールド」は、狙い通り29歳以下の高感度次世代顧客からの高い支持を受け、同場所の前年売上対比約4割増と計画を上回るスタートとなったという。
免税売上は、約3割減と前年を下回ったが、海外VIP顧客の売上は前年に対して約1割増と堅調だった。
■高島屋(2025年2月期営業収益:5750億円)
高島屋各店計は5.0%減、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は6.6%減だった。
国内顧客は、物産展などの食料品催事が堅調に推移したこともあり、既存店対比で前年実績を上回った。
インバウンド顧客は、化粧品やスポーツ用品は前年からプラスだったが、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品が低調だった。
免税売上高32.5%減、免税を除いた店頭売上高は1.0%減となっている。
店舗別売上高は、日本橋店、玉川店、大宮店、柏店、EC店、岡山店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回っている。
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