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アークス/3~8月増収増益、物価高対策でPB強化

2023年10月17日 11:58 / 決算

アークスが10月16日に発表した2024年2月期第2四半期決算によると、売上高2922億100万円(前年同期比3.9%増)、営業利益79億3500万円(7.1%増)、経常利益88億1000万円(6.8%増)、親会社に帰属する当期利益57億9900万円(5.1%増)となった。

既存店の売上高は3.6%増。節約志向の中でも客数が1.1%増となり、客単価も2.4%増となった。客単価の内訳は、1人あたり買上点数が4.0%減少した一方、物価上昇に伴い1点単価が6.7%増となっている。

電気料金を中心とした販管費の増加により、売上高販管費率は0.3ポイント上昇して22.4%となったが、売上高の堅調な推移・商品構成の見直しなどで、売上高総利益率が0.4ポイント上昇し25.1%となったことから、増収増益を計上した。

営業面では、特に物価高対策として、プライベートブランド商品と位置付けている「CGC商品」の販売強化に取り組んだ。従来以上にシジシージャパンとの連携を深め、国内外の生産者と原料調達まで踏み込んだ開発商品の拡販や、積載率向上による物流効率化、「スカスカ撲滅運動」による容器・包装資材の削減などを進めている。

カテゴリーマネジメントによる商品構成の見直しを行い、従来の取り扱い品目に加え、米菓・農産乾物、乾麺・チルド麺、衣料洗剤に拡大し、取り組みをさらに強化した。加えて、商品調達プロジェクトが中心となり、販売・仕入・在庫に係る新基幹システムの利活用を1段階引き上げ、在庫水準の適正化・ロス率削減といったグループ全体の効率改善に取り組んだほか、季節催事の売れ筋商品に関するグループ横断の比較分析を実施し、グループシナジーの追求によるMD強化も進めてきた。

ネットスーパーの取り組みについては、ラルズが運営する「アークスオンラインショップ」で配送拠点を4店舗から6店舗に増強。配達エリアを拡大するとともに、個人のみならず介護施設・幼稚園などの法人取引も拡大してきた。6月からは会員ステージ制度を取り入れるなど、サービス拡充にも取り組んでいる。ベルジョイスでも6月から「アークスオンラインショップ」を開始したほか、Amazonとの協業により、Amazonプライム会員向けサービスとして「アークスネットスーパー」を札幌市・北広島市の一部地域を対象に今冬スタート予定だ。

販管費については、エネルギー価格の高騰に対し、エネルギー監視システムの利活用や冷凍ケースのリーチイン化のほか、飲料品の設定温度の見直しや適切な照度での照明管理、顧客用トイレへの消音器導入による節水施策といった取り組みを進めている。また、DX推進委員会におけるRPAプロジェクト推進による作業時間の削減や給与明細の電子化など、生産性向上・コスト削減に資する業務改善を実現してきた。

店舗展開については、第2四半期累計では新規出店2店舗、改装8店舗、閉店1店舗で第2四半期末日現在の総店舗数は374店舗となった。第3四半期以降では新規出店2店舗、改装17店舗、閉店2店舗を計画している。

グループの基盤強化については、ベルジョイスが岩手県遠野市を中心にスーパーマーケット4店舗を展開する「みずかみ」と9月1日付で経営統合し、同社をベルジョイスの連結子会社とした。同社が創業以来築き上げてきた営業基盤と企業体質を強化し、地域経済へのさらなる貢献を目指していく。

通期は、売上高5820億円(2.8%増)、営業利益148億円(0.2%減)、経常利益162億円(1.5%減)、親会社に帰属する当期利益99億5000万円(0.0%増)を見込んでいる。

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