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くら寿司/10月期、国内・海外ともに好調で増収増益

2023年12月13日 11:00 / 決算

くら寿司が12月12日に発表した2023年10月期決算によると、売上高2114億500万円(前年同期比15.5%増)、営業利益24億5600万円(前期は11億1300万円の損失)、経常利益28億8200万円(17.3%増)、親会社に帰属する当期利益8億6300万円(15.9%増)となった。

<くら寿司>

日本国内の売上高は1638億6100万円(9.3%増)、経常利益13億8100万円(18.7%増)だった。人流が回復してきたことに加え、コストアップに対応するため、商品ごとにきめ細かく適正な価格を設定したことが奏功し、収益面の改善に貢献した。販売面では、2023年4月から地域の旬の地魚を毎週楽しめる「くらの逸品シリーズ」を本格導入し、2023年7月より取り扱いを全国に拡大した。

また、「かに」「まぐろ」など人気の高い商品を中心としたフェアを展開したことに加え、人気アニメ「ポケモン」や「呪術廻戦」とのコラボレーションによるグッズプレゼント等のキャンペーンを実施したことにより、当連結会計年度における売上高は過去最高となった。

店舗展開では、「グローバル旗艦店」として、日本国内5店舗目(関西2店舗目)となる、「なんばパークスサウス店」を2023年7月にオープンした。都市部を中心に、急速に回復するインバウンド需要の取り込み強化を図った。

くら寿司では、お寿司が回るエンターテインメント性を大事にし、回転寿司本来の“楽しさ”を提供してきた。独自の抗菌寿司カバーを活用し、回る寿司の楽しさを感じてもらうとともに、お客が入れ替わるごとに、醤油差しなどの備品を入れ替え、安心、安全に食事ができる環境を整備したという。

北米の売上高は259億7500万円(51.3%増)、経常利益2億4700万円(前期は経常損失8200万円)となった。米国子会社 Kura Sushi USA,Inc.(KSU)は、米国経済が堅調に推移したことに加え、期初から出店を継続してきたことが奏功し、売上高、収益面ともに好調を維持した。2019年8月のNASDAQ上場以降で初めて、通期で、経常利益の黒字化を達成した。

アジアの売上高は215億6700万円(35.3%増)、経常利益は14億6500万円(1.9%増)だった。台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)では、新型コロナウイルス感染症による影響は無くなり、消費の回復傾向から売上高は順調に推移した。販促面では、人気アニメ「名探偵コナン」や「クレヨンしんちゃん」のグッズプレゼントを採用するなどの取り組みを継続した。また、5月には海外店初となるグローバル旗艦店である「高雄時代大道店」をオープンし、増収増益を達成した。

上海藏寿餐飲管理有限公司(KSS)では、6月に中国大陸での1号店となる「龍之夢中山公園店」を開店した。その後も2店舗を続けて出店し、中国大陸での店舗数は合計3店舗となった。福島第一原発の処理水放出に伴う中国の日本産水産物の輸入停止、中国国内世論の反発による、売上等への影響については、現状は落ち着きつつあるが、今後も慎重に動向を注視するという。

次期は、売上高2262億円(7.0%増)、営業利益24億円(2.3%減)、経常利益28億円(2.9%減)、親会社に帰属する当期利益11億円(27.4%増)を見込んでいる。

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