ファーストリテイリング 決算/8月期売上収益、初の3兆円越え達成

2024年10月10日 18:01 / 決算

ファーストリテイリングが10月10日に発表した2024年8月期決算によると、売上収益3兆1038億3600万円(前年同期比12.2%増)、営業利益5009億400万円(31.4%増)、税引前利益5572億100万円(27.2%増)、親会社に帰属する当期利益3719億9900万円(25.6%増)となった。

大幅な増収増益となり、過去最高の業績を達成。売上収益で初の3兆円越えとなった。収益の柱の多様化がさらに加速し、グローバル全体で稼げる体制がより強固になったとしている。

同連結会計年度の設備投資は1121億円(101億円増)。内訳は、国内ユニクロ事業が120億円、海外ユニクロ事業が576億円、ジーユー事業が67億円、グローバルブランド事業が16億円、システムほか339億円となっている。出店投資に加え、自動化倉庫への投資を継続して実施することで、グローバルでの事業基盤を確立したという。

国内ユニクロ事業の売上収益は9322億円(4.7%増)、営業利益は1558億円(32.2%増)で過去最高の業績となった。既存店売上高(Eコマースを含む)は、通期で3.2%増となっている。

上期は、暖冬の影響を受け、3.4%減となったが、下期は、気温が高かったことに加え、シーズン末まで夏物コア商品の在庫を戦略的に持ち、マーケティングを強化したことで11.7%増の増収となった。世界中でユニクロの知名度が高まっていることで、インバウンド販売も増収に寄与している。

売上総利益率は、前期比で2.9ポイント改善した。これは売上動向に応じた発注のコントロールにより、スポット為替レートの影響が低減し、原価率が改善したことと、下期の値引率が改善したことによる。売上高販管費率は、増収となったことで、人件費比率や広告宣伝費比率が低下し、0.5ポイント改善した。

海外ユニクロ事業の売上収益は1兆7118億円(19.1%増)、営業利益は2834億円(24.9%増)と、過去最高の業績を達成。北米、欧州の営業利益率が大幅に改善し、全地域で営業利益率は15%以上の水準となった。

地域別では、グレーターチャイナの売上収益は6770億円(9.2%増)、営業利益は1048億円(0.5%増)と若干の増益となった。現地通貨ベースでは、中国大陸と香港は増収減益。上期は好調だったが、下期は前年のハードルが高かったことや消費意欲の低下、天候不順、地域のニーズに合った商品構成が不十分だったことで、販売に苦戦し減収減益だった。台湾は増収増益だったという。

韓国と東南アジア・インド・豪州地区の売上収益は5405億円(20.2%増)、営業利益は976億円(24.8%増)。北米の売上収益は2177億円(32.8%増)、営業利益は348億円(65.1%増)と増収増益で好調だった。

欧州の売上収益は2765億円(44.5%増)、営業利益は465億円(70.1%増)と大幅増。新店の販売が非常に好調だったことに加え、既存店売上高も2桁の大幅な増収を達成した。

ジーユー事業の売上収益は3191億円(8.1%増)、営業利益は337億円(28.9%増)と増収増益だった。ヘビーウェイトスウェット、スウェT、バレルレッグジーンズなど、グローバルのマストレンドを捉えた商品の販売が好調で、既存店売上高が増収。インバウンド販売も好調で、増収に寄与した。原価改善の取り組みにより、粗利益率が改善し増益となっている。

グローバルブランド事業の売上収益は1388億円(2.0%減)、事業利益は1億円(76.2%減)となった。これは、プラステ事業とコントワー・デ・コトニエ事業の構造改革で店舗数が減少したことに加え、セオリー事業の販売苦戦によるもの。営業利益は6億円(前期は30億円の赤字)と黒字化したが、これは前期に閉店に伴う減損損失が発生したためだという。

セオリー事業は、米国事業の伸び悩みに加え、アジア事業も消費意欲の低下により苦戦し、現地通貨ベースでは減収だった。プラステ事業は、店舗数の減少で大幅に減収したが、既存店売上高は増収と回復している。値引きに頼らない商売に転換しつつあることで、粗利益率が大幅改善し、営業利益は黒字化。コントワー・デ・コトニエ事業は、経費構造の改善により、赤字幅は縮小している。

次期は、国内ユニクロ事業は若干の増収増益、海外ユニクロ事業は大幅な増収増益、ジーユー事業とグローバルブランド事業は増収増益と、グローバルで事業拡大を継続する予想とのこと。店舗数は、国内ユニクロ事業797店舗(フランチャイズ店含む)、海外ユニクロ事業1778店舗、ジーユー事業489店舗、グローバルブランド事業634店舗で、合計3698店舗に達するという。

2025年8月期は、売上収益3兆4000億円(9.5%増)、営業利益5300億円(5.8%増)、税引前利益5850億円(5.0%増)、親会社に帰属する当期利益3850億円(3.5%増)を見込んでいる。

■ファーストリテイリングの関連記事
ユニクロ 新商品/軽くて暖かい高機能アウター「パフテック」東レと共同開発

ファーストリテイリング/米国テクノロジー孫会社を1ドルから100万ドルに増資

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

株式会社ファーストリテイリングに関する最新ニュース

一覧

決算 最新記事

一覧

経営戦略に関する最新ニュース

一覧

ユニクロに関する最新ニュース

一覧

ファーストリテイリングに関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧