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ワコールHD/通期の売上高3.9%増、営業利益25.2%増

2009年05月08日 / 決算

ワコールホールディングスが5月8日発表した2009年3月期の連結業績によると、売上高1722億7600万円(前年同期比3.9%増)、営業利益101億2900万円(25.2%減)、税引き前当期利益76億2700万円(46.9%減)、当期利益52億3000万円(5.3%増)となった。

ワコールブランド事業本部は、キャンペーンブラジャー「LALAN(ララン)」をはじめ基幹商品のブラジャー全体が低迷。秋冬シーズンには、昨シーズンに当初の販売計画を大きく上回る実績を上げた肌着の「スゴ衣(スゴイ)」を積極的に展開したが、暖冬の影響や他社製品との競合が一段と厳しさを増したこともあり、「スゴ衣」の売上は前年を上回ったものの、肌着全体では前年を下回る結果となった。

一方、専門店業態向け高感度ブランドの「サルート」やシニア世代向け高付加価値ブランド「グラッピー」は前年実績を上回った。新機能ボトムのスタイルサイエンス商品群は、男性用スタイルサイエンス商品と同じ「クロスウォーカー」にネーミングを一新して展開し、その他製品を含めガードル・パンツ全体は好調に推移。

インナーウェア以外では、デザイナーブランド「ツモリチサト」のライセンスによるパーソナルウェアが順調で、同じくデザイナーブランドの「マタノアツコ」の成人女性向けと子供向けのパジャマも堅調に推移。主力のインナーウェア全般が不調に終わったことにより、ワコールブランド事業本部全体の売上は前期を下回った。

ウイングブランド事業本部は、主力のブラジャーが全体に低調に推移。ガードル・パンツでは、秋に発売したスタイルサイエンス商品群の新製品「スリムアップパンツ」は堅調なスタートとなったものの、全体では前年実績を大きく下回った。2008年春から新たに男性用のスタイルサイエンス商品として開発した「クロスウォーカー」を、メンズインナーの百貨店向けブランド「DAMS(ダムス)」、主としてチェーンストアチャネルで展開している「BROS(ブロス)」でそれぞれ発売した。

これらの商品は販売開始以来マスコミでも大きく取り上げられ、消費者の高い関心を呼び、当初の年間販売計画を大きく上回る結果となり、引き続き今後の拡大が期待される。このように主力の女性向け商品は全般に低迷したが、男性向け商品が落ち込みを補う形となり、ウイングブランド事業本部全体の売上は前期をやや上回った。

SPA(製造小売)事業は、既存の卸売チャネルに比べて比較的消費意欲の活発な若年層を主な対象としており、売上が前期を上回り、順調に推移。中心価格を引き下げることによって販売数量が増加し、売上増につながったことや、不振店舗の撤退により店舗損益が改善したこと、シーズン末期の値下げ率を見直したことなども売上や利益の改善に寄与。

通信販売事業は、カタログ販売は主力商材であるアウターウェアとインナーウェア商品の売上は順調だった。媒体別ではカタログや新聞チラシなどの紙媒体は全般にやや苦戦しましたが、シニア世代に向けたカタログ「ゆらら」は大きく伸びた。

「ワコールウェブストア」として展開するインターネット販売も好調に推移。男性用「クロスウォーカー」が話題になったことで、ウェブサイトで購入する男性顧客も増えた。通信販売事業全体の売上は前期を上回った。

ウエルネス事業は、スポーツ関連の主力商品であるスポーツコンディショニングウェア「CW-X(シーダブリューエックス)」が、スポーツチェーン店、専門店を中心に大きく売上を伸ばした。一方、水着は市場の縮小に歯止めがかからず前年実績を大きく下回った。

ウエルネス商材ではストッキングなどのレッグ製品が百貨店販売の不振はあったものの、「スタイルカバー」を中心にTV通販やカタログ販売で伸ばし、前年を上回った。機能性を重視したシューズ「サクセスウォーク」などのフット製品は、シューズ市場が全般に厳しい中で健闘し、売上は前年を上回った。これらの結果、ウエルネス事業全体では前年を大きく上回った。

前期に完全子会社したピーチ・ジョンでは、通信販売の売上は前年並みに留まった。一方、直営店の売上は既存店ベースでは前年を下回るものの、新規店舗の出店により店舗売上全体では前年を上回る結果となった。2008年12月には香港に海外出店第1号となる店舗を開設した。

2010年3月期の連結業績予想は、売上高1710億円、営業利益72億円、税引き前当期利益58億円を見込んでいる。

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