イトーヨーカ堂とインテリア雑貨店「Francfranc(フランフラン)」を運営するバルスは2月27日、東京都江東区の「イトーヨーカドー木場店」1階に、共同開発のインテリアショップ「BON BON HOME(ボンボンホーム・BBH)」をオープンした。
2013年12月のセブン&アイ・ホールディングスとバルスの資本業務提携の取り組みの一つで、両社で約1年をかけて業態を開発した。標準店の売場面積は約500㎡で、イトーヨーカドーの住居用品売場に展開する業態。取扱品目は、ソファ、寝具、食器、キッチン用品、生活雑貨など約3000品目。
主要商品の価格帯は、マグカップ税別400円~1450円、バスタオル1700円~2400円、クッションカバー1000円~3000円、3人掛けソファ8万8000円~11万8000円。
3月4日の東京都江東区の「アリオ北砂店」への出店を皮切りに、4月下旬までに、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏で20店体制を確立する。2017年までに100店体制を目指し、年商で約200億円のSPA事業を目指す。
出店予定店舗は、東京が「アリオ西新井」、「大井町店」、「八王子店」、「武蔵小金井店」、「武蔵境店」、埼玉が「アリオ川口店」「大宮宮原店」、千葉が「津田沼店」、「船橋店」、「四街道店」、神奈川が「新百合ヶ丘店」、「古淵店」、「湘南台店」、「アリオ橋本店」、「川崎店」、「ららぽーと横浜店」、「立場店」、「大和鶴間店」。
売場面積で約120坪~150坪の範囲で展開。イトーヨカドーの住居用品売場であれば、どこでも売場面積は確保できるが、業態開発に先駆け実施した、バルスの商品の先行販売で、反応の良かった20店に出店する。実験販売では、木場店が最も販売実績が良かったため、1号店として選定した。
ターゲット層はファミリー層で、光あふれる「アメリカ西海岸の暮らし」をコンセプトに、幅広い年代に好まれるナチュラルでベーシックなインテリア雑貨を展開する。
青木繁忠イトーヨーカ堂取締役常務執行役員は「GMSの再生に向けて、チェーンストアの在り方そのものを見直す取り組みで、グループシナジーの具現化がスタートした。」
「バルスとの取り組みで、従来のヨーカ堂とは異なる商品、売場、接客を取り入れた。バルスが持つ、海外330の生産拠点を活用し、商品の72%は海外とバルスのルートで調達した」と語る。
高島郁夫バルス社長は「鈴木敏文会長からヨーカ堂の住居をなんとかしろとの指示受け、開発した業態。関東を中心に展開するヨーカ堂を考えながら、飛行機で関東平野を見たところ、海があり、平野があり、山がある環境がアメリカ西海岸に通じると思い業態コンセプトを作った。バルスの海外数百社のネットワークで約3000SKUを展開する。」
「完全な製造小売(SPA)として業態を開発したため、一度に20店の規模が必要だと鈴木会長にお願いした。バルス1社ではできな取り組みで、グループシナジーが生きている。お客さんには、ヨーカ堂が作ったブランドではなく、新しいブランドがヨーカ堂に入ってきたと思われたい」と語った。
ヨーカ堂は2010年に、ロフトと共同開発した新・生活雑貨専門店「tanosia(タノシア)」を数店展開したが、数年で全店をロフトのフランチャイズ店舗に転換した。ヨーカドー内のロフトのフランチャイズ店舗は6店で、2016年2月期に2店にロフトのフランチャイズ店舗を導入する予定だ。
ボンボンホームも、バルスとイトーヨーカ堂がフランチャイズ契約を結び展開する。青木常務は「ロフトは仕入型の企業であり、商品開発までは踏み込めなかった。バルスは製造小売型の企業であり、業態開発をしたことで、ヨーカ堂の商品開発力が上がったことが大きなメリットだ」という。
高島社長は「ヨーカドー木場店の食品売場は最大級の品ぞろえで、店舗全体で1日1万人が来店する。これまで、フランフランが展開していなかった立地・客層の店舗へ出店すること自体が、興味深いチャレンジだ。ヨーカ堂の販売力が加わったことで、商品調達でスケールメリットが出しやすくなる」と語る。
セブン&アイHDは今秋から、オムニチャネルを本格展開する計画で、BBHの商品のセブンネットショッピングでの販売も同時に開始した。大型家具のような配送を必要とする商品以外は、セブン-イレブンでの店頭受取に対応しており、オムニチャネルを具現化する。
高島社長は「フランフランはコンテンポラリーファッションをコンセプトに40前後の女性をメインターゲットにしている。一方、BBHはよりファミリーに特化したブランドで、ナチュラル感があり、どの層でもあう商品構成とした。」
「お客さんの年代によるマーケティングがほとんど意味がなくなるなかで、気持ちの若さや心持が大切になっている。お客さんの視点によって、2つの店を使い分けてもらえる」という。
店舗は、プロモーションコーナーとレジを中央に配置。大きく右側をインテリアコーナー、左側はキッチンコーナー。
家具、家電照明、ファブリック(寝装寝具)、インテリアアクセサリー(フォトフレーム)、ヘルス&ビューティー、ステーショナリー、キッチン(食器)、キッチンファブリック、アパレル(Tシャツなど)の9つの部門で構成する。
店舗中央には、「ハリウッドスター」、「サンフランシスコシティ」、「マリブビーチ」、「サンディエゴ・ズー」の4つのアメリカ西海岸にちなんだテーマ別の編集コーナーを設置。
通常は部門別の品ぞろえだが、テーマ編集コーナーでは部門を横断し、色彩や柄など統一感のある提案をする。
ショーウィンドーでは、実際のベットルームのコーディネート提案を実施。ダイニングでは、ダイニングテーブルのコーディネートを展開。
キッチンコーナーでは、カフェをイメージしたディスプレイをすることで、実際に商品を利用するシーンを具体的に提案した。
全体の商品の内、約30%は仕入商品を展開。フランフランでも、商品展開が少ないキッズ商品、ステーショナリーは仕入れ商品を中心に販売する。
フランフランの商品展開数は約6000SKUだが、BBHは約3000SKUの品ぞろえで、商品点数を絞り込んでいる。そのため、1SKUあたりの店頭在庫を厚くし、店舗オペレーションの簡素化を目指した。
今後は、オリジナル商品の開発を進め、プライベートブランド商品の比率を高めていく計画だ。
なお、1号店の木場店に先駆け、BBHは原宿・竹下通りの「セブン-イレブン原宿竹下通り店」2階に3月中旬まで期間限定店舗を出店。
2月28日に国立代々木競技場で開催した「第20回東京ガールズコレクション」でも商品を発表することで、幅広い年代へ向けてブランディング活動を始めている。
店舗概要
所在地:東京都江東区木場1-5-30
イトーヨーカドー木場店1階
営業時間:10時~23時
店休日:年中無休
売場面積:545㎡
取扱アイテム数:約3000SKU
■BON BON HOME
http://bonbonhome.jp/
■セブンネットショッピングBON BON HOME専門店
http://www.7netshopping.jp/spc/shop/bonbonhome/
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