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格付投資情報センター/イオングループの格付維持、方向性はネガティブに

2014年10月16日 / 経営

格付投資情報センター(R&I)は10月15日、イオングループ5社の格付けを発表した。

対象は、イオン、イオンモール、イオンフィナンシャルサービス、イオンクレジットサービス、イオン銀行。

5社とも格付は、Aを維持したが、格付けの方向性は、安定的からネガティブに変更した。

R&Iによると、近年、集客装置とも言うべきGMS事業の不振が続いているほか、SM事業も十分な収益を上げることができていない。ディベロッパー事業や総合金融事業は堅調なものの、グループ全体の収益には停滞色が強まっている。

2015年2月期上期は、小売りの中核企業であるイオンリテールが営業赤字になるなど、GMS事業とSM事業が著しい不振に陥った。

2014年4月の消費増税への対応の遅れや天候不順が直接の原因だが、個人消費の成熟や嗜好の多様化、他の小売業態との競合の激化など構造変化に対策が追い付いておらず、競争力が低下していることも見逃せない。

もっとも、流通グループとしての潜在力が落ちているわけではなく、ディベロッパー事業、総合金融事業も含め複合的に稼ぐビジネスモデルの有効性も揺らいではいない。

GMS事業やSM事業の収益力が順調に回復し、比較的短期間のうちにグループ全体としてAゾーンとしてさほど問題のない収益力・キャッシュフロー創出力を取り戻せるようなら、格付の維持が可能と判断し、格付を据え置いた。

とはいえ、店舗の賃借などに伴うオフバランス債務も含めた債務とキャッシュフローとのバランスや、資本負債構成は、総合金融事業見合い分を除いたベースで、もともと格付に見劣りしている。

GMS事業とSM事業の収益力回復に手間取るようだと、格付の維持は難しくなる。出店の抑制など設備投資計画見直しによる財務バランス改善効果は限定的なため、格付の方向性はネガティブとしたという。

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